山形県山形市本町1丁目のある、昭和2年7月に竣工した山形県内初の鉄筋コンクリート造りの校舎が、山形市立第一小学校校舎。国の登録有形文化財、経済産業省の近代化産業遺産に認定され、内部は山形まなび館として、山形の文化財の展示、教育資料の展示などが行なわれています。
県内初の鉄筋コンクリート造り校舎は、近代化産業遺産に認定
明治20年4月1日、山形市内の既存の3校が統合されて横町尋常小学校が誕生したのが始まりで、明治22年10月1日、山形市中部高等尋常小学校に改称、さらに新しい学校令を受けて明治26年6月1日に山形市第一区尋常高等小学校に改称しています。
明治41年に高等小学校が開設され、山形市立第一尋常小学校となりましたが、山形市内の人口増加に伴って生徒数が増加し、1330名にまで達したことから、大正15年に新校舎の建築が始まり、山形県で初めて鉄筋コンクリート造3階建ての校舎として昭和2年7月に完成。
山形市が主催で昭和2年9月11日〜10月15日に開催された『全国産業博覧会』(入場者総数135万6600人)では、山形市第一小学校、山形商品陳列所、山形市役所、雁島公園、山形商業会議所が会場になっていますが、第一会場として使われたのが、完成直後の山形市第一小学校で、本館のほか中央館、農林館、朝鮮館、北海道館、台湾、朝鮮、樺太、南洋、満蒙の特産品を展示した南北館、さらに演舞場や奏楽堂がありました。
この『全国産業博覧会』の開催後に小学校として使われましたが、その後役割を終え、平成22年に修理工事が完了し、「山形まなび館」としてオープンしています。
建設当初から、教室には電気ストーブ、校舎屋上に電気時計、国産鋼を使用したスチールサッシやスチールドアの建具など、当時の最先端の技術を取り入れ、デザイン的にはドイツ表現主義、アール・デコなど大正〜昭和初期の流行を反映しています。
「東北地方の産業振興の基礎を築いた水資源・交通・都市基盤整備の歩みを物語る近代化産業遺産群」の「山形県の擬洋風建築等」として経済産業省の近代化産業遺産にも認定。
「山形県の擬洋風建築等」には、山形市立第一小学校校舎(現・山形まなび館)のほか、文翔館(山形県旧県庁舎・県会議事堂/現・山形県郷土館文翔館)、旧済生館本館(現・山形市立郷土館)、旧東村山郡役所(天童織田の里歴史館)、旧西村山郡役所・郡会議事堂(寒河江市郷土館)、旧米沢高等工業学校本館、旧西田川郡役所(致道博物館)、旧鶴岡警察署庁舎(致道博物館)、山居倉庫が認定されています。
画像協力/山形県
山形市立第一小学校校舎(山形まなび館) | |
名称 | 山形市立第一小学校校舎(山形まなび館)/やまがたしりつだいいちしょうがっこうこうしゃ(やまがたまなびかん) |
所在地 | 山形県山形市本町1-5-19 |
電車・バスで | JR山形駅から徒歩15分 |
ドライブで | 山形自動車道山形蔵王ICから約5km |
問い合わせ | 山形市企画調整部文化振興課文化施設整備室 TEL:023-641-1212 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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