山形県東置賜郡高畠町、山形交通高畠駅として昭和9年に木造建築から建て替えられた石造建築の駅舎が、旧高畠駅。大正11年3月16日、高畠鉄道の糠ノ目駅〜高畠駅間5.2kmが開通した際に開業した駅ですが、木造駅舎だったため、昭和9年8月30日に地元の高畠石を利用して改築されています。国の登録有形文化財に指定。
高畠鉄道時代に高畠石(瓜割石)で築かれた駅舎
地元の大地主、長谷川平内が明治15年、長谷川製糸(高畠町竹森)が、明治22年には両羽製糸所(高畠町高畠、明治42年〜片倉組両羽製糸所)が続いて創業。
山形県の生糸は「羽前エキストラ」としてアメリカなどで人気が高く、搬出に鉄道が必要となり、宮城県七ヶ宿町湯原鉱山・二井宿の二重坂や金原鉱山の鉱石、二井宿・高畠の木材、木炭の輸送にも活用できるということで、高畠鉄道が開業したのです。
片倉組は高畠駅から工場まで専用鉄道を引き込み、工場の電力源である石炭の供給、生産した生糸の横浜までの輸送に鉄道が活用されたのです。
昭和18年10月1日に高畠鉄道、三山電気鉄道(羽前高松駅〜間沢駅/寒河江市)、尾花沢鉄道(大石田駅〜尾花沢駅)が合併して山形交通となり、高畠鉄道は山形交通高畠線になって存続しますが、昭和49年11月18日に全線廃止に。
「マッチ箱」と呼ばれた三等客車ハ2(青梅鉄道メ4が大正13年に高畠鉄道に譲渡されて、さらに昭和11年、雄勝鉄道に譲られてハフ11に/明治41年、天野工場製造)は博物館明治村に動態保存されています。
山形交通高畠線の糠野目駅〜高畠駅間の廃線跡は「まほろばの緑道」として生まれ変わり、旧高畠駅公園には電気機関車(山形交通ED1/昭和4年、川崎車輛製造)、電車(山形交通モハ1/昭和4年、日本車輌製造)、貨車(山形交通ワム201)が静態保存されています。
現存する駅舎は地元特産の高畠石(瓜割石)を使っていますが、高畠石は大谷石(おおやいし/栃木県宇都宮市)と同様に火山灰の堆積でできた火山性の凝灰岩。
1100万年ほど前、山形県がまだ浅い海だった時代に、現在の高畠町の北西部を中心にして大爆発を起こしてカルデラが誕生、火山噴出物が冷え固まって溶結凝灰岩が誕生、これが高畠石です。
高畠石(瓜割石)の石切場「瓜割丁場」を保存した瓜割石庭公園(うりわりせきていこうえん)は、穴場の公園ですが、フォトジェニックさでは山形県屈指の景観を誇っています。
旧高畠駅 | |
名称 | 旧高畠駅/きゅうたかはたえき |
所在地 | 山形県東置賜郡高畠町桜木町 |
関連HP | 高畠町観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR高畠駅からタクシーで10分 |
ドライブで | 東北中央自動車南陽高畠ICから約4km |
駐車場 | あり/無料 |
問い合わせ | 高畠町文化課 TEL:0238-52-1111 |
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