西ノ前遺跡公園「女神の郷」(国宝「縄文の女神」出土地)

西ノ前遺跡公園「女神の郷」(国宝「縄文の女神」出土地)

山形県最上郡舟形町、JR舟形駅の西、国道13号(尾花沢新庄道路)沿いにあるのが、西ノ前遺跡公園「女神の郷」。「女神の郷」と称するのは、ここが国内最大(高さ45cm)の八頭身美人土偶で、国宝「縄文の女神」出土地だから。最上小国川(小国川)の河岸段丘上に位置した縄文時代中期の集落跡です。

日本最大の土偶が出土した縄文時代中期の集落跡

昭和61年10月、国道13号(尾花沢新庄道路)工事の具体化で、山形県教育委員会が行なった遺跡詳細分布調査で遺跡が発見。
平成3年8月に計画路線内で遺跡にかかると思われる部分についての試掘で縄文土器、石器などが出土、東西85m、南北125mの規模がある縄文時代中期(4,500年ほど前)の集落跡であることが判明しました。

さらに平成4年6月8日〜10月6日にわたる延べ78日の調査で、大型住居跡3棟を含む住居跡9棟、フラスコ状土坑60基を含む200基以上の土坑および無数の柱穴、土器捨場が出土、土器だけで整理箱820箱にも及ぶ大量の遺構が見つかったのです。

落ち込み遺構を中心に土偶が多く発見され、8月には遺構のやや東よりの部分、半径3m程度の範囲で、頭部、胸部、腰部、脚部の5片に分かれて大形土偶である「縄文の女神」も出土し、大きな話題を呼びました。

平成4年8月の発掘調査で西ノ前遺跡から出土した土偶は全部で48点もありましたが、完形土偶1点の通称「縄文の女神」を国宝に、その他47点(土偶残欠)が国宝附(こくほうつけたり)となっています。
高さ45cmは日本で出土した土偶のなかでは最大。
欠損部がなく完全に復元された学術的にも、造形的にも縄文時代を代表する土偶となっています。

国宝「縄文の女神」は、山形県立博物館の第2展示室「山形の大地に刻まれた歴史」で常設展示されています。

ちなみに土偶としては、「縄文の女神」のほか、長野県茅野市・棚畑遺跡出土の「縄文のビーナス」、茅野市中ッ原遺跡「仮面の女神」、北海道函館市・著保内野遺跡「中空土偶」、青森県八戸市・風張1遺跡「合掌土偶」の5体が国宝に指定されています。

西ノ前遺跡公園「女神の郷」(国宝「縄文の女神」出土地)
名称 西ノ前遺跡公園「女神の郷」(国宝「縄文の女神」出土地)/にしのまえいせきこうえん「めがみのさと」(こくほう「じょうもんのめがみ」しゅつどち)
所在地 山形県最上郡舟形町舟形西ノ前510-3
関連HP 舟形町公式ホームページ
電車・バスで JR舟形駅から徒歩10分
ドライブで 東北中央自動車道舟形ICから約3km
問い合わせ 舟形町教育委員会社会教育係 TEL:0233-32-2246
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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