大姓6位〜10位となるのは、伊藤さん、中村さん、小林さん、山本さん、加藤さん。伊藤さんは伊勢の藤原、加藤さんは加賀の藤原で、ともに藤原氏がルーツ。中村さん、小林さん、山本さんは地形姓(地名姓)ですが、小林さんは長野県、山本さんは滋賀県がルーツ。中村さんは全国にそのルーツが。
6位 伊藤さん
国内の推定人口:113万人
国内シェア:0.90%
伊藤さんが多いエリア・県:伊藤さんは中部地方に多く、鈴木さん(1.98%)に次いで2位(1.34%)となっています。
とくに三重県は1位(3.23%)、お隣の岐阜県が2位(1.59%)、愛知県が3位(2.10%)。
このほか北海道で5位(1.12%)、秋田県が4位(2.84%)、山形県が5位(2.21%)、千葉県が5位(1.08%)と三重県以東に多いことがわかります。
伊藤さんのルーツ:伊藤さんは、伊勢(三重県北部の旧国名)の藤原で、伊藤。
そのルーツは佐藤氏と同じ藤原北家・藤原秀郷(ふじわらのひでさと)です。
藤原秀郷7代の子孫である尾藤基影(びとうもとかげ)が伊勢守となって、伊勢に来て伊藤氏を称したのが伊藤さんの始まり。
訪ねたいスポット:ルーツとしてのスポットはピンポイントにはありませんが、伊勢神宮、伊勢国一之宮・椿大神社などはパワースポットといえるでしょう。
7位 中村さん
国内の推定人口:107万人
国内シェア:0.85%
中村さんが多いエリア・県:中村さんがTOPという県はありませんが、2位の県は三重県(1.42%)、石川県(1.26%)、熊本県(1.22%)、福岡県(1.16%)、鹿児島(1.07%)、3位の県が山口県(1.46%)、滋賀県(1.29%)、京都府(1.06%)、和歌山県(0.92%)、大阪府(0.80%)、4位が
長崎県(1.52%)、奈良県(0.83%)、5位が青森県(1.30%)、長野県(1.14%)、富山県(0.81%)、兵庫県(0.76%)と西日本に多い傾向があります。
中村さんのルーツ:弥生時代に稲作が日本に伝来し、稲作が発展して、生産性が高まり、さらに田んぼが増えれば各地に村が増え、その中心となる集落が中村。
名古屋市中村区のように、中村という地名は日本一多い地名ともいわれ、中村さんのルーツは全国に散らばっています(全国に中村という居住地名は700ヶ所近く、歴史的な地名も200ヶ所を超え、そのほとんどの中村から中村さんは発祥)。
稲作の発展と村の誕生に結びついた地形姓(地名姓)ということで、西日本に多いのだと推測できます。
訪ねたいスポット:大阪府東大阪市の仲村神社(平安時代に編纂された『延喜式神名帳』には中村神社と記載)、福島県相馬市中村の中村城と相馬中村神社、江戸歌舞伎の創始者・中村勘三郎のルーツとされる名古屋市中村区の中村公園(初代中村勘三郎生誕記念像も立っています)など。
8位 小林さん
国内の推定人口:104万人
国内シェア:0.83%
小林さんが多いエリア・県:小林さんがTOPの県は、小林一茶を輩出した長野県で3.20%を占めてダントツ、2位はお隣の群馬県(1.63%)、山梨県(2.32%)、3位が長野県の隣、新潟県(2.27%)、群馬県に隣接の茨城県(1.07%)、4位が埼玉県(1.17%)、5位が福井県(1.08%)で、長野を起点にじわじわと広がったイメージです。
小林さんのルーツ:伊那郡小林村(現・飯田市下久堅小林地区)がルーツで、長野を中心に周辺に広がり、全国8位まで発展。
小林一茶は、北信濃、現在の黒姫高原の出身ですが、移住しているので、ルーツが北信濃ではありません。
訪ねたいスポット:鶴岡八幡宮が建つのは相模国鎌倉郡小林郷で、三浦半島や関東の小林さんの発祥の地かもしれません。
9位 山本さん
国内の推定人口:103万人
国内シェア:0.82%
山本さんが多いエリア・県:全国では9位ですが、TOPの県が多いのが山本さん。
1位の県は、高知県(1.91%)、和歌山県(1.84%)、山口県(1.83%)、岡山県(1.43%)、愛媛県(1.39%)、石川県(1.29%)、奈良県(1.27%)、広島県(1.14%)、香川県(1.04%)、富山県(1.02%)、さらに2位が鳥取県(1.93%)、福井県(1.50%)、滋賀県(1.39%)、京都府(1.38%)、兵庫県(1.25%)、大阪府(1.22%)です。
4位となる県はなく、5位に食い込むのが静岡県(1.28%)、徳島県(0.81%)、福岡県(0.75%)となっています。
九州を除いた西日本に多く、東日本には少ないという地域的な傾向の強いのが山本さんです。
山本さんのルーツ:遠江守義貞が近江国浅井郡山本(現在の東浅井郡湖北町山本)を本拠にしたとき、初めて山本姓を名乗ったことに始まるとされ、滋賀県の湖北がルーツということに。
賤ヶ岳(しずがたけ)から南へ続く山系に山本山もそびえています。
訪ねたいスポット:滋賀県湖北町の山本山城跡。
有名な武田信玄の軍師・山本勘助は、愛知県豊橋市あるいは豊川市で、豊橋市賀茂町にある本願寺近くには「山本勘助生誕の地」碑も立っています。
10位 加藤さん
国内の推定人口:89万人
国内シェア:0.71%
加藤さんが多いエリア・県:佐藤さん、伊藤さんに負けている加藤さんですが、TOPとなるのが岐阜県(1.67%)、2位はお隣の愛知県(2.14%)でシェアは岐阜県にも勝っています(愛知県の1位は鈴木さんです)。
3位〜5位はないのに、全国的に広がって、全国10位にランクイン(東日本に少ない山本さんなどとの大きな違いです)。
加藤さんのルーツ:加藤さんの「加」は加賀、つまりは現在の石川県、「藤」は藤原からきたものと推測でき、平安時代の半ば、源頼義(みなもとのよりよし)に仕えた武士・藤原景道(ふじわらのかげみち/景通とも)で、加賀介(かがのすけ/長官=守、次官=介、現在の副知事的な存在)となったことから加賀の藤原を略して「加藤」を称するようになったというのが定説です。
加藤さんは佐藤さん(佐野の藤原氏/諸説あります)、伊藤さん(伊勢の藤原氏)と同じで、藤原氏の一族です。
訪ねたいスポット:藤原景道(加藤景道)の子の加藤景清(かとうかげきよ)が伊勢に移り、拠点としており、三重県亀山市の不動院辺法寺は、加藤景道の子・加藤景清が創建したと伝えられる古刹。
「日本三大山城」のひとつ、岐阜県恵那市の岩村城は鎌倉幕府の御家人・加藤景廉が創築の祖(加藤景廉の長男・遠山景朝が築城)で、岩村町の八幡神社は加藤景廉が祭神。
愛知県西尾市上永良町の上永良城(かみながらじょう)は、「加藤嘉明生誕の地」(加藤嘉明は松山城を築城、松山の城下町を整備)。
あなたのルーツはどこの誰!? 大姓6位〜10位【伊藤・中村・小林・山本・加藤】 | |
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