愛知県田原市、伊良湖半島の三河湾側、西浜と呼ばれる海岸沿いに植栽された幅300m〜700m、全長11km、広さ443haにも及ぶ広大な松林が伊良湖開拓地海岸防災林。広大な松林は、日本の白砂青松100選にも選定されています。その一角に休暇村伊良湖があり、遊歩道が整備されています。
樹齢数十年の松が這うように茂る
明治30年、帝国陸軍は、伊良湖岬の先端部に陸軍技術研究所伊良湖試験場(通称・伊良湖射場=大砲の実射による試験場)を設置することを決定。
明治38年、陸軍試験場用地の拡大に伴い、用地が接収(買収)され、伊良湖村の住民112戸が移転しています。
海岸の松の植林は、昭和7年に海岸防災対策事業として始められたもので、戦後の射場解放を契機として昭和25年から本格的に事業が行なわれ、昭和38年に完成しています。
自然林を含め、樹齢数十年という松ですが、砂地であることや西風を受けるなど厳しい生育条件で矮小化して、樹海を形成しています。
海岸防災林は、とくに季節風が激しい冬季の飛砂、潮害を防ぐのに役立ち、1月〜3月に菜の花が植栽される畑も、この松林に守られているのです。
松林の中には、古墳時代の藤原古墳群、古代の塩づくりが行なわれた製塩遺跡群などもあります。
三河湾国定公園の第2種特別地域に指定され、休暇村伊良湖の北側には岬大池を中心とした西ノ浜海浜の森が整備されています。
製塩遺跡の「文化の森」(駐車場近く)、三河湾が一望できる「塩見の丘」、サシバの森、水鳥の池、「こども広場」などが散策路で結ばれています。
また、休暇村伊良湖周辺には、夢見ヶ丘展望台、鷹見ヶ丘、みどり池を結んだ遊歩道があり、休暇村宿泊者には「朝のお散歩会」も実施。
伊良湖開拓地海岸防災林 | |
名称 | 伊良湖開拓地海岸防災林/いらごかいたくちかいがんぼうさいりん |
所在地 | 愛知県田原市中山町岬・飛越ほか |
電車・バスで | 豊橋鉄道渥美線三河田原駅から豊橋鉄道バス伊良湖本線休暇村経由伊良湖岬行きで 30分、休暇村下車、徒歩10分 |
ドライブで | 東名高速道路豊川ICから約53km |
駐車場 | 西ノ浜海浜の森駐車場 |
問い合わせ | 田原市経済部農政課畜水産係 TEL:0531-23-3517 |
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