嵩山蛇穴

嵩山蛇穴

愛知県豊橋市嵩山町にある鍾乳洞が、嵩山蛇穴(すせのじゃあな)。縄文時代早期の洞窟住居跡だったと推測され、国の史跡になっています。豊橋市の背後、浜名湖との境(愛知・静岡県境)の湖西連峰(弓張山地)・石巻山一帯は石灰岩中心のカルスト地形で、石巻山蛇穴(いしまきさんじゃあな)も同様の鍾乳洞です。

姫街道・本坂峠の登り口にある鍾乳洞は、縄文人の住居跡

嵩山蛇穴は浜名湖の湖口で、湖上を渡ることを避け、本坂峠で三河・遠州国境を越える東海道の脇街道、姫街道沿い。
ちょうど三河国側(愛知県側)の本坂峠登り口に位置し、本坂峠へのハイキング途中に立ち寄ることもできます。

嵩山蛇穴は、標高140mに口を開ける鍾乳洞で、全長は70mほど。
入口近くに炉の跡があり、1万年前の表裏押圧縄文土器、縄文時代早期の押型文土器、石鏃(せきぞく)、石斧(せきふ)、磨石(すりいし)、骨角器、イノシシ、ニホンジカ、タヌキの骨、ハマグリ、ヤマトシジミの貝殻などが出土し、縄文草創期(紀元前1万年)~早期(紀元前7000年~4000年)の貴重な遺跡(出土品は豊橋市美術博物館に収蔵展示)。
多様な貝殻が出土したことから、洞窟で暮らしながら、旧石器時代には確かめられなかった漁労が行なわれていたことも判明しています。

縄文時代には定住が始まり、竪穴式住居のムラが形成されていきますが、草創期〜早期は、旧石器時代と同じようにこうした洞窟、岩陰などを住居にしていました。
南向きに開いた洞窟は、縄文人が暮らすのには最適だったのでしょう。

蛇穴の名は、昔、大蛇が棲んでいたためといい、長野の善光寺に通じているという伝説、洞窟内に埋蔵金が残され、それを守る武士がいたという伝説も生まれています。

入洞にあたっては照明などはないため、懐中電灯などの持参を。
ジャアナヒラタゴミムシ、ドウクツメナシタマキノコムシ(洞窟性のタマキノコムシ科昆虫の日本で初めての発見)など貴重な生物も生息するので、環境保全に留意の上、探勝を。

嵩山蛇穴
名称 嵩山蛇穴/すせのじゃあな
所在地 愛知県豊橋市嵩山町浅間下92
関連HP 豊橋市公式ホームページ
電車・バスで JR・名鉄豊橋駅から豊鉄バス嵩山で36分、嵩山下車、徒歩6分
ドライブで 東名高速道路豊川ICから約10km、三ヶ日ICから約11km
駐車場 駐車スペース(2台/無料)
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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