きみまち杉(仁鮒水沢スギ植物群落保護林)

きみまち杉(仁鮒水沢スギ植物群落保護林)

秋田県能代市二ツ井町、仁鮒水沢スギ植物群落保護林(にぶなみずさわすぎきしょうこたいぐんほごりん)にある秋田スギの巨木が、きみまち杉。樹高58m、幹周り5.15m、推定樹齢は200年〜300年。仁鮒水沢スギ植物群落保護林は、18.46haという広大な面積を誇る秋田スギの美林で、学術的にも貴重。

天然の秋田スギが残る貴重な美林にそびえる、きみまち杉

きみまち杉
きみまち杉

青森ヒバ、木曽ヒノキとともに日本三大美林に数えられる秋田スギ。
江戸時代には藩営の「御直山」(おじきやま)で、伐採した秋田スギを筏(いかだ)を組んで米代川に流し、藩内での活用はもちろんのこと、能代(のしろ)から北前船(西廻り航路)の舟運を使い、京・大坂(現・大阪)に搬出されていました。
明治以降は国有林として管理され、人の手が入ることで美林が維持されてきました。

仁鮒水沢スギ植物群落保護林には平均250年という樹齢の秋田スギの巨木が生育し、秋田県の天然記念物にも指定されています。

その代表的なスギの巨木が、きみまち杉で、平成8年、「樹高日本一」の宣言を行ない、地元の景勝地・きみまち阪(明治14年、明治天皇が美しさに感動して命名)の「きみまち」を冠してきみまち杉と命名されています。

仁鮒水沢スギ植物群落保護林内には、入口の泣き杉、もっくん杉、秋田美人杉、恋文杉、仁鮒杉、たしろ杉などと命名された巨木が数多くあります。
林内の歩道は、一周30分ほどで周回できますが、雨後などは滑りやすいので歩きやすい靴での入林を。

仁鮒水沢スギ植物群落保護林へと続く田代川沿いの道(途中までは秋田県道203号高屋敷茶屋下線)は仁鮒集落内などを除いてかつての森林鉄道(能代営林署の仁鮒森林鉄道)の軌道跡。
大正2年に軌道が敷かれた歴史ある森林鉄道でしたが、昭和30年代にトラック輸送が主力となり、昭和40年に全線が廃線となっています。

きみまち杉(仁鮒水沢スギ植物群落保護林)
名称 きみまち杉(仁鮒水沢スギ植物群落保護林)/きみまちすぎ(にぶなみずさわすぎきしょうこたいぐんほごりん)
所在地 秋田県能代市二ツ井町田代
関連HP 林野庁公式ホームページ
電車・バスで JR二ツ井駅からタクシーで30分
ドライブで 秋田自動車道二ツ井白神ICから20km
駐車場 5台/無料
問い合わせ きみまち杉保全協議会 TEL:0185-73-4500
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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