猿ヶ森ヒバ埋没林

猿ヶ森ヒバ埋没林

下北半島の東海岸、青森県下北郡東通村(ひがしどおりむら)の太平洋沿岸には、15kmにわたる長大な猿ヶ森砂丘が続いています。ここにあるのが猿ヶ森ヒバ埋没林。砂丘の誕生で、立ち枯れとなったヒバ(和名:ヒノキアスナロ)と新しく生えた植物からなる森が不思議な景観を生み出しています。

砂に埋れて立ち枯れとなった、ヒバの美林

かつて下北半島はヒバの大森林地帯だったのですが、2500年ほど前から砂が断続的に海から打ち上げられ、多くのヒバが立ち枯れたまま砂地に埋もれてしまいました。
猿ヶ森集落近く、猿ヶ森川沿いに続く猿ヶ森ヒバ埋没林は、12世紀頃(鎌倉時代)に埋没したものと推測され、350mほどの間に183本のビバの立ち枯れを観察することができます。
青森ヒバと呼ばれるヒバは、明治34年、本多静六(日本で最初の林学博士)が木曽などに多いアスナロの変種であることを発見、牧野富太郎博士が「ヒノキアスナロ」と命名しています(アスナロが南方系のヒバ、ヒノキアスナロが北方系のヒバ)。

一帯は青森県の自然環境保全地域に指定され、入口の駐車場から埋没林まで全長400mの散策路が整備されています。

海岸沿いの砂丘地帯には、大沼、左京沼、荒沼、片貝沼、赤川沼、タテ沼、タカ沼、長沼など海の退行によって誕生した湖沼(海跡湖)が連続しますが、猿ヶ森ヒバ埋没林の南にある左京沼でも紀元前700年頃の埋没ヒバが発見されています。

ちなみに砂丘の砂が猿ヶ森ヒバ埋没林のヒバの森へと移動した原因は、1000年前から行なわれた製鉄活動による森林伐採の可能性が非常に高いことが判明。
つまり、森林伐採で、砂丘化が進み、砂がヒバの森を埋めていったということに。

猿ヶ森砂丘は、日本最大級の砂丘ですが、ほぼ全域が防衛装備庁の下北試験場(弾道試験場)となっていて、立ち入ることはできません。

猿ヶ森ヒバ埋没林
名称 猿ヶ森ヒバ埋没林/さるがもりひばまいぼつりん
所在地 青森県下北郡東通村猿ケ森(猿ヶ森国有林88る林小班)
関連HP 東通村公式ホームページ
電車・バスで むつバスターミナルから下北交通バス、泊行き乗車で40分、下田代下車、徒歩40分
駐車場 10台/無料
問い合わせ 東通村企画調整課 TEL:0175-27-2111
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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