初めての人は、「遊園地の乗り物のよう」、「おとぎ電車のよう」などと形容されるのが、三重県四日市市を走る四日市あすなろう鉄道。近鉄内部線、八王子線を近鉄と四日市市が出資する第3セクター方式で存続させたもので、全国的にも珍しい2フィート6インチ(軌間762mm)という特殊狭軌(ナローゲージ)です。
「東京ディズニーランド」のウエスタンリバー鉄道と同じ軌間


ナローゲージから「あすなろう」という言葉が生まれたと通称されていますが、狭軌(1067mm)に「明日なろう」とも受け取れます。
色彩カラーも、「なろうブルー」、「なろうグリーン」と称されています。
新幹線は、国際標準軌(1435mm)ですが、その半分くらいしか線路幅がないことから、当然電車もミニサイズ。
内部線は、あすなろう四日市駅〜内部駅5.7km(8駅)、内部線途中の日永駅で分岐する八王子線は日永駅〜西日野駅1.3km、2駅です。
全車両を四日市市が保有し、四日市あすなろう鉄道がそれを借り受けて運行するかたち。
近鉄のグループですが、ナローゲージという特殊性から、他の線区の車両を転用することはできないため、すべての車両がオリジナルの近鉄260系電車。
座席は通路を挟んで各1列ずつ一方向固定のクロスシートで、一人がけのシートが両側に並ぶという珍しい光景です。
ロングシート車両の場合は、対面の人と膝が付くほどの感じ。
しかも日永駅ホームの急カーブに対応するため、先頭と最後尾の車両の端はさらに少し斜めに幅を狭くしているとのこと。
これでますます小さく感じられるようです。
現在、ナローゲージは、三岐鉄道北勢線、部峡谷トロッコ電車の3ヶ所のみ。
テーマパークでは、「東京ディズニーシー」のディズニーシー・エレクトリック・レールウェイ、「東京ディズニーランド」のウエスタンリバー鉄道もこのナローゲージです。
それでも世界各地の遊園地で走るミニSLなどの軌間は15インチゲージ、軌間381mmなので、ナローゲージはその2倍。
碓氷峠鉄道文化むらを走るSL「アプトくん」は、2フィート(軌間610mm)なので(第一次世界大戦時に、塹壕などで活用された軌間で、現在もオーストラリアのサトウキビ運搬で活躍)、遊園地よりはかなり大きいことがわかります。


遊園地の乗り物のような、「四日市あすなろう鉄道」に乗ってみよう! | |
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