千葉県松戸市岩瀬、JR・新京成電鉄松戸駅の東南300mほどに位置する都市公園が松戸中央公園。園地のほかに砂入り人工芝の庭球場2面、散策路があるだけの公園ですが、大正8年に開校し、昭和20年に閉校した陸軍工兵学校跡。公園のレンガ造りの正門は、大正9年築、陸軍工兵学校の正門だったものです。
陸軍工兵学校以前は松戸競馬場だった!
松戸中央公園や周辺の聖徳大学、松戸市立第一中学校一帯は陸軍工兵学校(陸軍が創設した日本で唯一の工兵教育のための学校)の敷地でした。
松戸中央公園の正門は、門柱頂部の門灯と門扉は失われていますが、現存する門柱4基と歩哨哨舎が往時を偲ばせてくれます。
それ以前は明治40年〜大正8年の間、松戸競馬場(総武競馬会、後の松戸競馬倶楽部が運営、現在の中山競馬場の前身)だった場所で、この地(東葛飾郡明村)で競馬が開催されていました。
明治39年11月、賭博的な魅力もあって東京・池上競馬場での成功、収益性の確立を受け、全国に競馬場設立の気運が高まり、松戸競馬場がオープンしたのです。
ただし、明治政府から認可を受けるための条件に一周1マイル以上という規定があったため、丘陵地(相模台)に曲がりくねったコースを築いています。
現存する松戸中央公園西側の道は競馬場の走路の一部を再生したものと推測できます。
松戸競馬の開催日には上野駅〜松戸駅間に臨時列車が走るほど、隆盛しています。
大正8年に陸軍が工兵学校をつくる用地として競馬場の敷地を希望したため、競馬場地としては手狭だった松戸から陸軍の経費負担で中山村と葛飾村にまたがる地に移転、松戸競馬倶楽部は中山競馬倶楽部と名を改め、大正9年に中山競馬を開催、これが現在の有馬記念(GI)で知られる中山競馬場です。
ちなみに、松戸中央公園のある相模台は、鎌倉時代の建長元(1241年)、鎌倉幕府6代執権・北条長時が城館(相模台城)を築いた地でもあり、嘉暦年間に第14代執権・北条高時が入道して崇鑑と号し、この地に居住したため官位の相模守から相模台と呼ばれるようになったと伝えられています。
松戸中央公園(松戸競馬場・陸軍工兵学校跡) | |
名称 | 松戸中央公園(松戸競馬場・陸軍工兵学校跡)/まつどちゅうおうこうえん(まつどけいばじょう・りくぐんこうへいがっこうあと) |
所在地 | 千葉県松戸市岩瀬487-1 |
電車・バスで | JR・新京成電鉄松戸駅から徒歩6分 |
駐車場 | なし/周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 松戸中央公園事務所 TEL:047-363-9241 |
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