【旅の百科事典】 島前カルデラ(隠岐ユネスコ世界ジオパーク)

島前カルデラ(隠岐ユネスコ世界ジオパーク)

隠岐の島前(どうぜん)は、西ノ島(西ノ島町)、中ノ島(海士町)、知夫里島(ちぶりじま=知夫村)という3つの有人島とその周囲にある無人島から形成されています。この島前の島々は、巨大な火山がの山体が空洞化し、中央が陥没し、同時に中心部で新たに火山が噴火した島前カルデラ(火山性の陥没地形)で形成されています。

500万年前に誕生のカルデラ地形が今もはっきりとわかります!

島前カルデラ 空撮 Photo Map
島前カルデラ 空撮 Photo Map

カルデラとは、火山の活動によってできた大きな凹地のことで、スペイン語で、大釜や大鍋を表すカルデラ(caldera)に由来しています。

隠岐は地殻変動(プレート活動)によって徐々に隆起を始め、600万年ほど前、島前と島後(現・隠岐の島町)で起きた2つの激しいアルカリ火山岩の活動によって、島の原型が造り出されました。
阿蘇カルデラが27万年前〜9万年前、屈斜路カルデラ(日本最大)が180万前〜3万3000年前、十和田カルデラが20万年前〜1万5000年前に形成されたと考えられているので、島前カルデラがケタ違いに古いカルデラであることがよくわかります。

島前でも600万年ほど前から火山活動によって巨大な火山が誕生しますが、マグマを盛んに噴出することで、山体内部が空洞化し、やがて500万年ほど前に陥没。
中央が陥没すると同時に、中心部では新たに火山が噴火します。

中心部で新たに噴火した火山、つまりは中央火口丘(central cone)が、西ノ島町の焼火山(たくひやま)なのです(阿蘇カルデラでは噴火活動を続ける阿蘇中岳が中央火口丘です)。
つまり、島前は、焼火神社(たくひじんじゃ)が鎮座する焼火山を中心に、円形に外輪山が広がる巨大なカルデラ。
島と島を結ぶ島前内航船「いそかぜ」、「フェリーどうぜん」が走る内海は、カルデラの内部の陥没した部分なのです。
逆に、断崖絶壁の国賀海岸などは、円形に取り囲むカルデラ外輪山の外壁。
西ノ島町など島前を旅する際には、頭の中にこの「島前カルデラ」をしっかりとインプットしておきましょう。

国賀海岸(摩天崖・通天橋)、赤尾展望台、鬼舞展望台など絶景スポットの大半は、隠岐ユネスコ世界ジオパーク(地球・大地を意味するジオ・Geoと公園を意味するパーク・Parkを組み合わせた言葉・ジオパーク=「大地の公園」)のジオサイト(ジオパークの見どころ)にもなっているので、現地の案内板のチェックを。

島前カルデラ(隠岐ユネスコ世界ジオパーク)
名称 島前カルデラ(隠岐ユネスコ世界ジオパーク)/どうぜんかるでら(おきゆねすこせかいじおぱーく)
関連HP 隠岐ユネスコ世界ジオパーク公式ホームページ
問い合わせ 隠岐ユネスコ世界ジオパーク推進協議会 TEL:08512-3-1321/FAX:08512-3-1322
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

焼火神社

2019年2月25日
鬼舞展望所

鬼舞展望所

2019年2月23日
通天橋

通天橋

2019年2月23日
摩天崖

摩天崖

2019年2月23日
赤尾展望所

赤尾展望所

2019年2月23日

 

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