東京都内には環境省の名水百選(昭和の名水百選)選定が2ヶ所、平成の名水百選選定が1箇所あります。さらに東京都環境局が選んだ「東京の名湧水57選」のなかから、注目の2ヶ所を加えた5ヶ所が「一度は訪れたい! 東京の名水スポット」です。
御岳渓谷(御岳渓流)|名水百選
所在地:東京都青梅市御岳~沢井(多摩川沿い4kmの渓谷)
最寄り駅:JR青梅線・軍畑駅(いくさばたえき)から徒歩10分で遊歩道入口
名水の背景:渓谷沿いはにスギ・ヒノキの人工林が主体ですが、御岳山(みたけさん)、高水三山など周囲の標高600m以上にはブナ、イヌブナが茂り、東京都の貴重な水源涵養林となっています。
秩父多摩甲斐国立公園にも指定され、東京都の貴重な「山の自然」が名水を育んでいます。
そんな多摩川には、アユ、ウグイ、カジカなどが生息。
御岳渓谷遊歩道も整備され、駅を起点としたハイキングを楽しむことができます。
お鷹の道・真姿の池湧水群|名水百選
所在地:東京都国分寺市東元町1丁目・3丁目
最寄り駅:JR・西武鉄道国分寺駅、JR西国分寺駅から徒歩15分
名水の背景:武蔵野台地の縁(へり)、国分寺崖線(こくぶんじがいせん)沿い湧く清冽な水。
国分寺崖線は、古代の多摩川が南へと流れを変えていく過程で、武蔵野台地を削り取ってできた、河岸段丘の連なりで、東京に残された貴重な自然環境となっています。
調布市、三鷹市、小金井市、国分寺市にまたがる国分寺崖線上の区域3万7195平方メートルが、東京都の国分寺崖線緑地保全地域として、環境が保全され、東京都立武蔵国分寺公園が真姿の池湧水群の水源林となっています。
国分寺崖線下の湧水が集まり野川に注ぐまでの350mに遊歩道「お鷹の道」も整備。
「お鷹の道」は、徳川御三家筆頭の尾張藩の鷹狩の地だったことに由来。
落合川と南沢湧水群|平成の名水百選
所在地:東京都東久留米市南沢3丁目
最寄り駅:西武東久留米駅から徒歩20分
名水の背景:今もこんこんと湧き出す湧水で、落合川支流・沢頭流の源流部、東京都水道局南沢給水所一帯は南沢緑地保全地域に指定。
4ヶ所ある湧水源のうち2ヶ所は東京都水道局南沢給水所(東久留米市の水道水源地のひとつ、多摩川の水とブレンドし市内に配水)の敷地内で、久留米市の水道水に給水。
源流部にはホトケドジョウなど少なくとも4種の絶滅危惧種が生息しています。
等々力渓谷・不動の滝|東京の名湧水57選
所在地:東京都世田谷区等々力
最寄り駅:東急大井町線等々力駅から徒歩10分
名水の背景:関東ローム(武蔵野ローム層)に覆われた台地を谷沢川が削り、10mほどの急峻なV字谷を形成したのが等々力渓谷で、周囲には武蔵野の雑木林(シラカシ、ケヤキ、ムクノキ)が現存。
1kmにわたって遊歩道も整備され、等々力不動、不動の滝などがあります。
◆等々力渓谷公園で倒木があり、現在通行止めです(令和7年度中に通行止めが解除の見込み)
不動の滝は見学が可能
清正井|東京の名湧水57選
所在地:東京都渋谷区代々木神園町1-1(明治神宮)
最寄り駅:JR原宿駅から徒歩7分、東京メトロ明治神宮前駅から徒歩8分
名水の背景:現在の明治神宮の敷地は、江戸時代に彦根藩井伊家下屋敷となる以前に、熊本藩加藤家下屋敷があったことから井戸は加藤清正が掘ったと伝えられています。
近年はパワースポットとしても注目を集めていますが、「加藤家の下屋敷があり加藤清正の子・忠広が住んでいたことは間違いないようですが、清正本人が住んでいたかは定かではありません」と明治神宮は解説。
一度は訪れたい! 東京の名水スポット 5選 | |
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