福岡平野の東を流れる御笠川(みかさがわ)に沿ってのびる月隈丘陵(つきぐまきゅうりょう)の標高30mの丘陵上にある弥生時代の共同墓地の遺跡が金隈遺跡(かねのくまいせき)。金隈遺跡から出土したのは、弥生時代の甕棺墓(かめかんぼ)348基、土壙墓・木棺墓119基、石棺墓2基。
弥生時代の共同墓地の遺跡から日本人のルーツを探る!
昭和43年、桃畑の開墾作業中に発見され、弥生時代の大規模な共同墓地の跡として昭和47年に国の史跡に指定されています。
甕棺墓は、北九州地方の弥生時代の特徴的な墓で、金隈遺跡からは小児用の墓が数多く出土しています。
一般の集団墓地と推定され、人骨も全体で136体が出土し、なかには抜歯の風習が確認されるものもありました。
発掘現場に覆屋をかけるようにして「金隈遺跡展示館」(平成31年4月1日リニューアルオープン)が建てられ、甕棺百基以上が当時の姿のまま見学することが可能。
出土した副葬品には、種子島以南の海中にしか生息しないゴホウラ貝で作った腕輪もあり、中国大陸や南方文化との交流が推測できます。
また人骨の平均身長は、男性が162.7cm、女性が151.cmで、縄文人と比較すると、土井ヶ浜(下関市)発掘の人骨と同様に、顔も面長で、身長も高いことから(北部九州・山口タイプ)、朝鮮半島や大陸からの渡来人もしくは渡来人との混血(「金隈弥生人」)と推測されています。
いずれにしろ日本人のルーツを辿る貴重な遺跡のひとつになっています。
近隣には日本最古の環濠集落といわれる板付遺跡(福岡市博多区板付)、弥生時代中期から後期の大規模な遺跡で奴国の中心地ではないかと推測される須玖岡本遺跡(すぐおかもといせき/福岡県春日市岡本)もあります。
金隈遺跡 | |
名称 | 金隈遺跡/かねのくまいせき |
所在地 | 福岡県福岡市博多区金の隈1-39-52 |
関連HP | 福岡市の文化財公式ホームページ |
ドライブで | 福岡高速道路金の隈ランプから約2.4km。または、大野城ランプから約2.2km |
駐車場 | 15台/無料 |
問い合わせ | 福岡市経済観光文化局 TEL:092-711-4666/FAX:092-733-5537 |
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