内田三連橋梁

内田三連橋梁

福岡県田川郡赤村(あかむら)を走る平成筑豊鉄道田川線の鉄道橋が、内田三連橋梁(うちださんれんきょうりょう)。地元で「みつあんきょう」と呼ばれるレンガ造りの3連アーチ橋で、明治28年8月に竣工。国の登録有形文化財に指定されるほか、経済産業省の近代化産業遺産に認定。

筑豊炭田の石炭輸送にも活躍したレンガ造りの橋梁が現存

内田三連橋梁は、筑豊地方の運炭を主な使命とする鉄道網拡充(石炭産業の全盛期は石炭を炭坑から港まで鉄道で輸送)のために設立された豊州鉄道(ほうしゅうてつどう/明治34年に九州鉄道に吸収合併)が油須原駅(ゆすばるえき/九州最古の木造駅舎が現存)〜香春駅(かわらえき/現・勾金駅)間に建設した橋長17mのレンガ造り3連アーチ橋。
筑豊炭田は、日清戦争前の明治26年からの10年間で出炭高が5倍に増加していますが、そうした状況を背景に、明治28年8月15日の豊州鉄道・行橋駅〜井田駅(現・田川伊田駅)の開業に伴って架橋された橋梁です。
下流側壁面には切石が貼られていますが、反対の上流側はレンガ積み。
片側ずつ切石造り、赤レンガ造りと異なるのは複線化を見込んで構築され、未完のまま現在に至っているから。
基本計画には九州鉄道の博多駅〜千歳川仮停車場間の開通を実現させたドイツ人技師ヘルマン・ルムシュッテル(Hermann Rumschöttel/ドイツ流の技術を日本に持ち込んだお雇い外国人、東京市街高架鉄道の建設構想も担当)も関係していると推測されています。

内田三連橋梁は、「産炭地域の特性に応じた近代技術の導入など九州・山口の石炭産業発展の歩みを物語る近代化産業遺産群」の「筑豊炭田からの石炭輸送・貿易関連遺産」として経済産業省の近代化産業遺産にも認定されています。

内田三連橋梁
名称 内田三連橋梁/うちださんれんきょうりょう
所在地 福岡県田川郡赤村内田1804-1
関連HP 赤村公式ホームページ
電車・バスで 平成筑豊鉄道内田駅から徒歩15分、赤駅から徒歩20分
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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