野良時計

野良時計

安芸城の城下町、高知県安芸市にあるNHK朝連続テレビ小説『ノンちゃんの夢』(昭和63年)の舞台にもなった櫓時計が野良時計。土居村の大地主だった畠中源馬が、野良仕事をする人に時を知らせるために、明治20年頃に設置したもの。明治時代の国産時計としては唯一現存するもので、平成8年に国の登録有形文化財に指定。

国内に唯一現存する明治時代の国産時計

明治5年、11歳の源馬少年は、父に買ってもらったアメリカ製の八角形の掛時計を分解しては組み立ててその仕組みを習得。
野良時計では、分銅から歯車に至るまですべて手づくりで組み立てています。
畠中家主屋北側の屋根に擬洋風の時計台がのせられていますが、文字盤が3面あるのは各方面から時間が分かるようにという配慮から。

現在も畠中家が居住する民家のため、内部見学は不可。
手作りのこの時計を動かすには、1週間に一度、微妙な力加減で分銅を持ち上げながら、綱を巻く必要があるため、平成16年に孫の畠中秀雄さんが没して以降は、作動していません。

野良時計前の道には歩道部分に水路があり水車が回っています。
「土居廓中」(どうかちゅう)と呼ばれる一帯は、土佐藩の家老であった五藤家安芸屋敷、五藤家家臣野村家住宅などの武家屋敷で、国の重伝建(安芸市土居廓中伝統的建造物群保存地区)、そして国土交通省の日本風景街道「土居廓中」にも選定。
また、近隣には三菱財閥の創業者・岩崎弥太郎生家(旧井ノ口村)もあります。

野良時計は、岩崎弥太郎(明治18年没)を生んだ旧土居村周辺に、文明開化とともに西洋文明が流入したことを今に伝えています。

野良時計
名称 野良時計/のらどけい
所在地 高知県安芸市土居638
関連HP 安芸市観光協会公式ホームページ
電車・バスで 土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線安芸駅から元気バス循環一ノ宮線で6分、野良時計前下車、すぐ
ドライブで 高知自動車道南国ICから約35km
駐車場 15台/無料
問い合わせ 安芸観光情報センター TEL:0887-34-8344
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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