福岡県北九州市門司区清滝2丁目、九州鉄道記念館に静態保存されるのが、キハ42055号気動車(きはよんまんにせんごじゅうごごうきどうしゃ)。昭和12年に鉄道省が開発、日本車輛製造で製造された全長19mのキハ42000形ガソリン動車で、国の重要文化財に指定されています。
流線型の世界的なブームを背景に、半円形の先頭車両に!
鉄道省が発注し、昭和10年〜昭和12年に、キハ42000形式として合計62両が製造された旅客用の機械式気動車のうちの1両。
当初は自動車と同様に、ガソリンエンジンを搭載し、クラッチで変速する機械式気動車でしたが、戦後の昭和25年、出力150PS(馬力)のDMH17系ディーゼルエンジンに換装され、キハ42500形となったもの。
キハ42000が登場した当時は世界的な流線型ブームで、鉄道省も昭和4年にC51形のうちの1両(C51 61)を半流線型に試験改造、さらに昭和9年にC53形のうちの1両(C53 43)を流線形に改造し、その後、C55形21両を流線形で製造しています。
とはいえ、キハ42000形式の流線型仕様は、単に前面窓を6枚にし、運転台を半円状にしたのみですが、風洞実験ではその効果が認められています。
気動車とはエンジンを搭載した列車の車両のことで、運転に必要な動力源として、内燃機関を搭載して自走する鉄道車両を指す言葉です。
キハ42055号気動車は、「日本の気動車の技術発達史を俯瞰するうえで貴重であり、鉄道史、社会・経済史、科学技術上において重要」ということから、令和4年3月22日に国の重要文化財に指定されています。
当初の塗装は、上を灰黄色(黄褐色2号)、下がコバルトブルー(青3号)の「鉄道省色」(旧標準色)でしたが現在は国鉄時代一般形気動車色(「朱色4号+クリーム色4号」)に塗り分けられています。
JR九州ではこの指定を「気動車としては日本初の重文指定」としていますが、JR東海がリニア・鉄道館(名古屋市港区)に保存する大正2年製造の蒸気動車「ホジ6014」(令和元年に重文指定)も広義の気動車なので、「ガソリンエンジンやディーゼルエンジンを搭載した気動車としては日本初」ということに。
昭和32年4月の車両称号規程の改正でキハ07形に改称(キハ07 41に)。
久大本線の豊後森機関区に配置され、恵良駅(大分県九重町)と肥後小国駅(熊本県小国町)を結ぶ宮原線(みやのはるせん)で使われていました。
昭和44年に廃車となり、豊後森機関区や大分運転所で保存されていましたが、九州鉄道記念館のオープンで移設されています。
九州鉄道記念館・キハ42055号気動車 | |
名称 | 九州鉄道記念館・キハ42055号気動車/きゅうしゅうてつどうきねんかんきはよんまんにせんごじゅうごごうきどうしゃ |
所在地 | 福岡県北九州市門司区清滝2-3-29 |
関連HP | 九州鉄道記念館公式ホームページ |
電車・バスで | JR門司港駅から徒歩5分 |
ドライブで | 関門自動車道門司港ICから約2.5km。または、北九州都市高速道路4号線春日ランプから約2.3km |
駐車場 | 九州鉄道記念館西駐車場(50台/有料) |
問い合わせ | 九州鉄道記念館 TEL:093-322-1006/FAX:093-332-7233 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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