関ヶ原古戦場 松平忠吉・井伊直政陣跡

JR東海道本線・関ヶ原駅に近い「東首塚」境内にあるのが松平忠吉・井伊直政陣跡。関ヶ原の戦いで、井伊直政は事実上の総大将で先鋒役の意識が強く、福島正則が東軍先鋒と軍議で決まり、周知されていたのにもかかわらず、娘婿でもある松平忠吉(まつだいらただよし=徳川家康の四男)とともに抜け駆け的に先陣を切って戦っています。

「井伊の赤鬼」に守られて松平忠吉が初陣で手柄を

9月15日の午前8時頃、福島隊の先頭隊長・可児吉長(かによしなが=可児才蔵)の制止を振り切って、宇喜多隊へ発砲し敵軍に戦を仕掛けています。
なぜ、取り決めを破ってまでも戦の火蓋を切ったのかといえば、松平忠吉が初陣(ういじん)だったから。
つまり「井伊の赤備え」といわれる精鋭部隊を従えて、松平忠吉と井伊直政は島津隊を追撃し、大きな戦果を挙げています。

この「井伊の赤揃え」は、もともと『風林火山』の映画、ドラマにも登場の「武田の赤備え」が前身。
「武田の赤備え」で知られた、山県昌景の旧臣を武田家滅亡後、井伊家が抱えたもの。
小牧・長久手の戦いで先鋒を務めて奮戦し、「井伊の赤鬼」と呼ばれ恐れられていました。

抜け駆け的な先陣でしたが、井伊直政は徳川四天王、そして松平忠吉は家康の四男ということもあってか、ふたりにはお咎めはなく、逆に松平忠吉も清州城を与えられる出世を。
ただし、関ヶ原の合戦で受けた傷が元で、井伊直政は2年後に、松平忠吉は7年後にこの世を去っています。

ちなみに、松平忠吉・井伊直政陣は東首塚の東側200mほどの場所でしたが、大正時代に現在地に移されています。

関ヶ原古戦場 松平忠吉・井伊直政陣跡
名称関ヶ原古戦場 松平忠吉・井伊直政陣跡/せきがはらこせんじょう まつだいらただよし・いいなおまさじんあと
所在地岐阜県不破郡関ケ原町関ケ原
関連HP関ケ原観光協会公式ホームページ
電車・バスでJR関ヶ原駅から徒歩3分
ドライブで名神高速道路関ヶ原ICから約1.2km
駐車場5台/無料
問い合わせ関ケ原観光協会 TEL:0584-43-1600/FAX:0584-43-0915
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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