岐阜県多治見市御幸町2丁目にある古社が、新羅神社(しんらじんじゃ)。古代に朝鮮半島にあった新羅(しらぎ)を連想させる社名ですが、奈良時代、田只味(たしみ=現在の多治見)に暮らした渡来人、新羅系の氏族がその祖神を祀ったのが始まりと伝えられています。
東濃の渡来系氏族の歴史を今に伝える古社
古窯として知られる瀬戸焼、美濃焼は、もともと渡来人が日本へもたらした須恵器(すえき)作りの技術が始まりで、現在の名古屋市東部・猿投山(さなげやま)の山麓で、5世紀前半に須恵器を焼成する窯(かま)、猿投窯が築かれ、周辺に広がっていったと推測されています。
須恵器の製造が美濃に伝わったのが美濃焼の始まりとされ、それに伴って渡来系氏族が氏神を祀って新羅神社を創建したとも推測できます。
美濃国でで6世紀末(古墳時代後期)に現在の各務原市周辺で須恵器の生産が始まり、7世紀には田只味(多治見)にもその技術が伝わったと考えられています(北丘35号窯からは8世紀の須恵器が出土)。
新羅神社の主祭神は、建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)ですが、室町時代に合祀された神様です。
現在する社殿は嘉永元年(1848年)の再建。
社殿の彫刻は、尾張藩御彫物師・早瀬長兵衛のもの。
境内社の西宮神社には恵比寿、大黒の像も据えられています。
新羅神社 | |
名称 | 新羅神社/しんらじんじゃ |
所在地 | 岐阜県多治見市御幸町2-99 |
電車・バスで | JR多治見駅から徒歩15分 |
ドライブで | 中央自動車道多治見ICから約3km |
駐車場 | あり/無料 |
問い合わせ | 新羅神社 TEL:0572-22-1658 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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