前橋市蚕糸記念館

前橋市蚕糸記念館

群馬県前橋市、敷島公園ばら園内にある戦前、日本一の蚕糸の町として栄えた前橋の歴史を伝える博物館が前橋市蚕糸記念館。建物は、明治45年に前橋市岩神町(現・前橋市昭和町3丁目)に建てられた国立原蠶種製造所(原蠶種/原蚕種=げんさんしゅ)製造所前橋支所本館(事務棟)を移築したもの。

擬洋風の素敵な建物にも注目

前橋市蚕糸記念館

生糸の集積地であった前橋は、官営富岡製糸工場の開設に先がけて、明治3年に前橋藩(速水堅曹・深沢雄象/前橋藩は明治4年の廃藩置県で前橋県に)が、スイス人ミュラーを招き、初めて洋式器械製糸所(前橋藩営器械製糸所/現・前橋市住吉町1丁目)の操業を開始した、製糸業先進の地(製糸業近代化の草分け)。

明治45年6月11日、前橋に完成した国立原蚕種製造所は、蚕業試験場、蚕糸試験場養蚕部などと改称され、研究機関統合のため昭和55年、茨城県筑波学園都市へ移転。
レトロな洋館を「糸の町」前橋のシンボルとして後世に遺すため、敷島公園ばら園内に移築保存し、ミュージアムとして開館したもの。
入口正面には玄関ポーチを付け、エンタシスを持つ方柱が配されています。
木造平屋の建物ですが、屋根に乗る換気塔です。
明治末期築の洋風木造建築は、県の重要文化財にも指定。

前橋の生糸産業の歴史を背景に、前橋市蚕糸記念館の館内では、養蚕から生糸に至るまでの製造用具、蚕糸(さんし)試験場や養蚕の資料などを展示しています。
第1展示室では国立原蚕種製造所前橋支所、そしてカイコの生育過程に関する資料を展示。
第2展示室では、カイコの孵化(ふか)からマユとして出荷するまでのプロセスを当時の養蚕道具を通じて紹介しています。
第3展示室では、上州座繰(じょうしゅうざぐり=上州座繰器という道具を用いて糸を挽き出す製糸法)、第4展示室では機織り道具や、養蚕信仰に関する資料を展示しています。
ちなみに、独特の煮繭法や集緒・撚掛装置を備えていた上州座繰は、富岡製糸場などの器械製糸にひけをとらない品質、生産性を保っていました。

農商務省が管轄する原蠶種製造所の本所は、東京府豊多摩郡杉並村高圓寺(現・杉並区和田3-55-30/蚕糸の森公園)に設置され、本所の他に、前橋支所、綾部支所(京都府何鹿郡綾部町本宮村)、福島支所(福島県福島市腰浜、曽根田)の3支所が設置されていました(このほか、各県が県立の原蠶種製造所を設置)。
大正11年、日本の全輸出金額のほぼ半分を生糸で占めており、当時の日本の産業にとって良質の蚕種の安定供給がいかに重要だったかがわかります。
前橋に国立原蠶種製造所が設けられる前年の明治44年には蠶絲業法も制定されています。

前橋市蚕糸記念館
名称 前橋市蚕糸記念館/まえばししさんしきねんかん
所在地 群馬県前橋市敷島町262
関連HP 前橋市公式ホームページ
電車・バスで JR前橋駅から関越交通バス緑ヶ丘町・総合スポーツセンター方面行きで20分、老人センター入口下車、すぐ
ドライブで 関越自動車道前橋ICから約8.7km
駐車場 敷島公園ばら園駐車場(395台/無料)
問い合わせ 前橋市文化財保護課 TEL:027-280-6511
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
敷島公園ばら園

敷島公園ばら園

群馬県前橋市、群馬県立敷島公園内にあるばら園で、全国都市緑化ぐんまフェアの総合会場となったのをきっかけに平成20年にリニューアルオープン。600種、7000株のバラ花壇やイングリッシュガーデンがあり、600株のバラがスタンダード仕立てとなり

 

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プレスマンユニオン編集部

日本全国を駆け巡るプレスマンユニオン編集部。I did it,and you can tooを合い言葉に、皆さんの代表として取材。ユーザー代表の気持ちと、記者目線での取材成果を、記事中にたっぷりと活かしています。取材先でプレスマンユニオン取材班を見かけたら、ぜひ声をかけてください!

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