旧黒澤家住宅

旧黒澤家住宅

中山道を新町宿で分かれ、神流川(かんながわ)に沿って藤岡、鬼石、万場、中里、上野を経て十石峠を越えて信州・佐久に至る十石街道。その沿線に位置した山中領は江戸時代に幕府直轄の天領だった土地。上山郷の大庄屋で代々大総代を務めたのが黒澤家で、現存する建物(旧黒澤家住宅)は18世紀中頃の建築で国の重要文化財。

1階には代官が接待した座敷が残されている

旧黒澤家住宅
31畳半という広々とした「ちゃの間」
旧黒澤家住宅
2階部分は養蚕に使われていました

天領だった山中領は上山郷、中山郷、下山郷の三郷に分けられていましたが、上山郷には鷹保護地区が27ヶ所指定され、将軍家に鷹狩り用の鷹を献上していました。

日航機の墜落で有名になった御巣鷹山(おすたかやま)は、この鷹の産地が山名の由来。
黒澤家は御林守(おはやしもり)として御巣鷹山を守る立場にもあった名家です。

旧黒澤家住宅は一般に公開され、幕府の代官がこの地を訪れたときに使用された、「上段の間」、「中段の間」、「中の間」、「休憩の間」など往時のままに残る屋内を見学できます。
展示コーナーになっている2階は、もとは養蚕に使われた広い板の間。

ちなみに十石峠、十石街道は、中山道の脇住還として1日十石(約1500kg)の信州佐久米(食料用と酒造用)が馬の背で上州へと運ばれたことが名の由来です。
今では山中の静かな村ですが往時には物資が行き交っていたことがわかります。
この十石街道の現代版が国道299号で、上信国境の十石峠を越えて佐久平へと通じています。

旧黒澤家住宅
4室の座敷が並ぶ部屋
旧黒澤家住宅
名称 旧黒澤家住宅/きゅうくろさわけじゅうたく
所在地 群馬県多野郡上野村楢原200-9
関連HP 上野村公式ホームページ
ドライブで 上信越自動車道下仁田ICから約26km
駐車場 6台/無料
問い合わせ 上野村教育委員会 TEL:0274-59-2657
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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