兵庫県淡路市多賀にある国生み神話で知られる淡路国一之宮が伊弉諾神宮(いざなぎじんぐう)。祭神は伊弉諾大神(いざなぎのみこと=伊邪那岐命)と伊弉冉大神(いざなみのみこと=伊邪那美命)。日本遺産「国生みの島・淡路」の構成資産にもなっています。
国生みの島・淡路に建つ、歴史を秘めた社
『古事記』、『日本書紀』には、国生みなどの神功を終えた伊弉諾大神が天照大神(あまてらすおおかみ)に後事を委譲し、最初に生じた淡路の多賀の地で余生を過ごしたと記されています。
その幽宮(かくりのみや)跡に御陵が営まれ、神社が創建されたと伝えられるのが伊弉諾神宮の起源。
兵庫県唯一の神宮であるのも、そんな由緒から。
本殿は、明治時代に御陵を整地して移築したもので、明治以前は禁足の聖地だった地です。
神池は御陵の周囲に巡らされた濠の一部なのだとか。
手水鉢(ちょうずばち)は、大坂城築城の際に運んだ巨石が郡家浦沖合いに没したものを氏子の漁師が見つけて引き揚げ、刻んで奉納したと伝えられています。
地元では「一宮さん」(いっくさん)と親しまれ、1月15日の『粥占祭』、4月20日~22日の例大祭は島内外からの多くの人でにぎわいます。
伊弉諾神宮の真東に飛鳥藤原京、さらに伊勢皇大神宮が位置し、春分の日と秋分の日には同緯度にある伊勢神宮から太陽が昇り、対馬国一之宮の海神神社(かいじんじんじゃ)に沈み、夏至の日には諏訪大社(信州)から昇り、出雲大社に沈み、冬至の日には熊野那智大社から昇り、高千穂神社(宮崎県高千穂町)へと太陽が動きます。
まさに日の本の中心で、太陽の運行図を紹介する「陽の道しるべ」というモニュメントが立っています。
また、伊弉諾神宮と元伊勢内宮皇大神社(京都府福知山市)、伊吹山、熊野本宮大社、伊勢神宮内宮を結ぶと巨大な五芒星(ごぼうせい=星マーク)の「近畿五芒星」が誕生するというのも実に不思議で神秘的です。
ちなみに、律令時代の淡路国(あわじのくに)の国府は、南あわじ市神代国衙にあったと推測されていますが、まだ遺構はみつかっていません。
国分寺は、江戸時代創建の護国山国分寺(南あわじ市)が後継寺院だと推測され、国司が参拝した総社は、総社十一明神社(南あわじ市)、二之宮が大和大国魂神社です。
伊弉諾神宮 | |
名称 | 伊弉諾神宮/いざなぎじんぐう |
所在地 | 兵庫県淡路市多賀740 |
関連HP | 伊弉諾神宮公式ホームページ |
電車・バスで | JR舞子高速バス洲本港行きで38分、津名港下車、淡路交通バスに乗り換えて25分、神宮前下車 |
ドライブで | 神戸淡路鳴門自動車道津名一宮ICから約3.5km |
駐車場 | 30台/無料 |
問い合わせ | 伊弉諾神宮 TEL:0799-80-5001/FAX:0799-80-5021 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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