大峯奥駈道・旧女人結界

大峯奥駈道・旧女人結界

奈良県吉野郡吉野町、吉野山の奥千本・金峯神社から大峰山方面に大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)を少し歩いたところにあるのが、旧女人結界。吉野から大峰山を経て熊野本宮に至る大峯奥駈道は、ユネスコの世界遺産に「紀伊山地の霊場と参詣道」の文化的景観を示す主要な構成要素として登録。

昭和45年まではここが女人結界だった!

熊野から吉野へと歩く行程を「順峯」(じゅんぷ)、逆に吉野から熊野へと歩く行程を「逆峯」(ぎゃくふ)といいますが、吉野山の青根ヶ峰の山頂直下にあるのが幕末の慶応元年(1865年)建立の女人結界碑。
石柱には「これより女人結界 右大峯山上、左蜻蛉の滝」の文字が刻まれています。
昭和45年まで、ここから先は女人禁制だったのです。
女人結界碑へ致る道周辺には、往時には安禅寺(吉野山の奥の院)の多宝塔、役行者御母公廟所(四方四面堂)、安禅寺蔵王堂などがありましたが、明治の廃仏毀釈の嵐で廃寺となって今はありません。
蔵王堂内陣にある木像蔵王権現立像(国の重要文化財)も安禅寺蔵王堂の本尊だったもの。
現存する女人結界の碑が立てられた幕末には、愛染宝塔(多宝塔)、蔵王堂(本堂)、鐘楼、奥院本堂、四方正面堂(役行者御母公廟所)などの伽藍が建ち並んで壮観でしたが、神仏分離、廃仏毀釈で破却され、今では植林され、看板のみが歴史を伝えています

女人結界に関しては、源義経が吉野山に隠れた平安時代末期には、現在の金峯神社の社前にあり(そのため静御前と別行動に)、昭和45年に青根ヶ峰の女人結界門は五番関へと移されています。

熊野本宮大社の証誠殿(しょうじょうでん)を第1靡とし、吉野山の北にある柳の宿の第75靡まで、山中に75ヶ所の靡(なびき=行場・拝所)が設けられていますが、旧女人結界近くあった吉野奥院(金剛峯寺奥院)とも呼ばれた安禅寺が、第70番靡の愛染の宿(あいぜんのしゅく)。
山伏姿の行者たちが経をあげ、碑伝(行者札)を納めた場所です。

吉野山では第75・柳の宿(やなぎのしゅく) 、第74・丈六山(じょうろくさん)、第73・吉野山(よしのさん)、第72・水分神社(みくまりじんじゃ)、第71・金峯神社(きんぷじんじゃ)、第70 愛染の宿の順で、第69・二蔵宿(にぞうのしゅく)、第68・浄心門(じょうしんもん)、第67・山上岳(さんじょうがたけ)と続きます。

大峯奥駈道、青根ヶ峰の旧女人結界は、訪れる人も少ない場所で、ここまで歩くことで、幽玄な吉野山の魅力を垣間見ることができます。
コースは近畿自然歩道「吉野古道修験の道」(如意輪寺 ~ 水分神社 ~ 金峯神社 ~ 青根ヶ峰 ~ 四寸岩山 ~ 百丁茶屋 ~ 五番関 ~ 母公堂 ~洞川温泉バス停/16.8km、所要17時間)にもなっているので、迷うことはありませんが、この先はさらに山深いので、安易な気持ちで奥駈道に入るのは危険です。

大峯奥駈道・旧女人結界
名称 大峯奥駈道・旧女人結界/おおみねおくがけみち・きゅうにょにんけっかい
所在地 奈良県吉野郡吉野町吉野山
電車・バスで 近鉄吉野駅からタクシーで30分で金峯神社
ドライブで 西名阪自動車道郡山ICから約43kmで駐車場
駐車場 義経隠れ塔下林道横(20台/無料)を利用
問い合わせ 吉野山町産業観光課 TEL:0746-32-3081/FAX:0746-32-8855
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
西行庵

西行庵

吉野山・奧千本の地主神、金峯神社から山道を15分ほど歩けば、西行庵。桜(当時は山桜)を愛した漂泊の歌人・西行は、「吉野山去年(こぞ)の枝折(しをり)の道かへて まだ見ぬかたの花を尋ねん」(『新古今集』春上86)など、吉野の歌を数多く残してい

義経隠れ塔

義経隠れ塔

奈良県吉野郡吉野町、吉野山・奥千本の金峯神社近くにあるのが、義経隠れ塔。吉野山の伝承などでは、源義経と静御前が、追討の追っ手から身を隠したのが吉水院(現在の吉水神社)。大峯山は当時女人禁制だったため、この地で義経と静は別れ、義経一行は青根ヶ

苔清水

苔清水

奈良県吉野郡吉野町、吉野山・奥千本で、大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)から少し西に外れた西行庵近くの山中に湧く清水が、苔清水。「とくとくと落つる岩間の苔清水汲みほすまでもなき住居かな」と西行が詠み、西行を慕ってここを訪れた芭蕉も句を残した

金峯神社

金峯神社

奈良県吉野郡吉野町、吉野山最奥の青根ヶ峰近くに位置し、吉野山の地主神(じぬしのかみ)であり、金鉱の守り神である金山毘古命(かなやまひこのみこと)を祀る神社が金峯神社。尾根沿いに続く吉野山ですが、金峯神社から奥が奥千本となります。世界遺産『紀

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

ABOUTこの記事をかいた人。

日本全国を駆け巡るプレスマンユニオン編集部。I did it,and you can tooを合い言葉に、皆さんの代表として取材。ユーザー代表の気持ちと、記者目線での取材成果を、記事中にたっぷりと活かしています。取材先でプレスマンユニオン取材班を見かけたら、ぜひ声をかけてください!

おすすめ

よく読まれている記事

こちらもどうぞ