兵庫県神戸市北区有野町唐櫃、神鉄六甲駅(しんてつろっこうえき)のすぐ北側にある真言宗の古刹が、六甲山多聞寺(たもんじ)。大化改新直後の孝徳天皇の治世に天竺(インド)の僧・法道(ほうどう)が創建という伝承が残されています。平清盛は福原遷都では、新都守護寺に定められています。
平清盛の福原遷都で、新都を守護する寺に
法道は、祇園精舎の守護神とされる牛頭天王(ごずてんのう)とともに日本に渡来し、六甲山で修行中に雲ヶ岩(現・六甲比命大善神社境内)で紫雲に乗って出現した毘沙門天を感得、多聞寺を創建したとされています。
ただし、法隆寺創建以前のことなので定かではなく、寺もその後荒廃。
9世紀頃に高野山真言宗の長善阿舎利が再興しています。
平清盛は福原遷都にあたり、新都の鬼門の丑寅(北東)を守護する寺として新都守護寺に定めています。
京の八瀬大原から人を移住させ、福原北辺の防御拠点として鞍馬寺のような役割を担わせていたのです。
源平合戦では源義経の別動隊・多田源氏の福原京侵入の際、源氏側の要請を拒み平家に与(くみ)したため、堂宇を焼き払われ、寺領も没収。
往時には現在地の南、古寺山(標高636m)の山上に建っていましたが平家滅亡とともに衰退したため、室町時代に有馬温泉寺の僧・重盛らが現在地に再興しています。
境内の香炉は、江戸時代に多聞寺の講中「真生講」が寄進したもの。
雲ヶ岩、磐座(いわくら)を神体とする六甲比命大善神社(ろっこうひめだいぜんじんじゃ)、心経岩は今も多聞寺の奥の院になっています。
多聞寺 | |
名称 | 多聞寺/たもんじ |
所在地 | 兵庫県神戸市北区有野町唐櫃3086-1 |
電車・バスで | 神戸鉄道神鉄六甲駅から徒歩10分 |
ドライブで | 六甲有料道路唐櫃ICから約800m |
駐車場 | あり/無料 |
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