兵庫県神戸市須磨区にある大正3年完成の旧武庫離宮(須磨離宮)跡を再生した都市公園が須磨離宮公園。82haという広大な公園で、離宮御殿など往時の建物は昭和20年の空襲で失われています。噴水広場、王侯貴族のバラ園、バラの歴史と文化園、花しょうぶ園などがあり、植物園(24ha)とは歩道橋で連絡しています。
噴水広場の横にはバラの花が咲く
メインとなるのはレストハウスからポセイドン広場、噴水広場、南大噴水と続く一帯。
メインフォールの滝、カスケードの流れ、大噴水と、水の流れを活かしたエントランスです。
王侯貴族のバラ園には離宮だったことをイメージできるように日本の皇室や王侯貴族、芸術家などの名を冠した品種のバラを植栽しています。
6月上旬〜中旬に見頃を迎える花しょうぶ園、12月〜4月に花が咲くつばき園、夏にスイレンやコウホネが花をつける新池など、四季の花を愛でることもできます。
子供連れなら、フィールドアスレチック-子供の森冒険コース-、ジャンボすべり台へ。
フィールドアスレチックは、森の中に遊具28基を連続して配置し、一巡できる仕組みになっています。
海を眺めるなら、月見台休憩所へ。
光源氏のモデルともいわれる在原行平(ありわら の ゆきひら)が須磨に蟄居をした際、月見をしたと伝えられている月見の名所で、大阪湾を一望にします。
併設の植物園には花の庭園、観賞温室、梅園、ぼたん園、あじさい園などが備わり、散策に絶好です。
食事は、須磨離宮公園レストハウスでレストラン「ガーデンパタジェ須磨離宮」が営業。
武庫離宮(須磨離宮)の名残を探そう
戦前は別荘地として名高かった須磨ですが、宮内省が西本願寺月見山別邸(西本願寺門主・大谷光瑞の別邸)周辺を買収し、背後の山林も御料林、さらに天井川の上流に水源地を設けて開設したのが武庫離宮(須磨離宮)。
建築には赤坂離宮(旧東宮御所)などを手がけた片山東熊
大正天皇・皇后、昭和天皇(当時は皇太子)、ラストエンペラーとして知られる満州国皇帝・溥儀(ふぎ)なども保養に訪れています。
戦後、進駐軍の射撃訓練場に接収された後、昭和31年に返還され、昭和33年当時、皇太子明仁親王のご成婚記念事業として整備され、昭和42年に開園しています。
正門左右の門柱や亀甲形の石積み、正門から続くカイヅカイブキの列植などが残る馬車道、中門と白漆喰の壁などは離宮当時を偲ばせる遺構です。
さらに潮見台は、「武庫離宮」の露台(物見台)として築造された場所。
海を眺め、月を愛でることができた総檜造り、2階建ての御座所があったのは、現在の噴水広場あたりです。
名勝「行平月見の松」付近に建てられた傘形四阿舎と石灯籠も往時のままの位置にあります(竹穂葺きの屋根は復元)。
名称 | 須磨離宮公園/すまりきゅうこうえん |
所在地 | 兵庫県神戸市須磨区東須磨1-1 |
関連HP | 須磨離宮公園公式ホームページ |
電車・バスで | 山陽電車月見山駅から徒歩10分 |
ドライブで | 第二神明道路須磨出口からすぐ |
駐車場 | 須磨離宮公園駐車場(272台/有料) |
問い合わせ | TEL:078-732-6688/FAX:078-734-6022 |
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