日本マラソン発祥の地碑

日本マラソン発祥の地碑

兵庫県神戸市中央区、神戸市役所前、フラワーロードの園地に立つのが、日本マラソン発祥の地碑。明治42年3月21日、神戸・湊川埋め立て地から大阪・西成大橋東端までの32.2kmの『マラソン大競走阪神間20哩長距離競争が開催。マラソンという言葉を使った最初のイベントであることからマラソン発祥ということに。

明治42年3月21日、日本初のマラソン大会が開催

大会開催の背景には、日清戦争、日露戦争で、日本兵の体力が清国兵やロシア兵よりも劣るということが指摘され、長距離マラソンを行なうことで、国民の体力への関心を増大させようという国家的な戦略がありました。
同時に、新聞社の販売拡張政策もあって、阪神間のマラソンが実現したのです。
マラソンという言葉をあえて使ったのも、そうした国際化という風潮が背景にあったのだと推測できます。

大会当日の11:30、神戸市長・水上浩躬(みなかみひろみ=神戸港を修築した「築港市長」)が、短剣で選手の前に張られた紅白のテープを切り、スタート。
1位は、岡山県在郷軍人の金子長之助(かねこちょうのすけ/西粟倉村出身)選手で、2着を5分近くも引き離して2時間10分54秒で優勝。
金子長之助は、郵便飛脚で鍛えた足で、見事優勝を果たし、日本で初めて開催されたマラソン大会での優勝者となったのです。
家族の反対で、オリンピックの選考会(ストックホルム五輪予選)には出場せず、結婚して鳥取県智頭町で林業に従事しています。

明治42年3月26日『山陽新報』記事 「岡山縣友會とマラソン優勝者」

拝啓、御承知の大毎新聞社主催マラソン競争會は本月二十一日行はれたるが、全國より應募者四百四名に達し、其内より資格の全きもの百三十四名を選び、身体検査の上兵庫縣武庫郡鳴尾競馬場にて十哩の豫選競争をなさしめ、二十名を得て、神戸湊川より大阪西成鉄橋迄二十哩の競争に第一者の名誉を荷ひ、多大の商品を得たるは岡山縣英田郡西粟倉阪根の在郷軍人金子長之助氏にて世上の評判嘖々、我々同縣人は雀躍に堪へざれば、在阪縣友會有志者は同二十三日午後同氏幷に大毎社々長本山彦一氏を招待し、慰労の會を催したるが火急の催し殊に雨天なるに拘らず會する者廿餘名、幹事惣代森下亀太郎氏の大毎社今般の催は現社會の遊惰と流るゝを矯正するに功あり同縣人たる金子氏が此の名誉の月桂冠を得たるは我々の誇とする處なりとの挨拶をなし本山氏幷に金子氏の答辭、其他二三の演説ありて散會したるは夕十時頃なりしが金子氏は定て屈強なる体格ならんと想像せらるゝが本人を見れば、中背の寧ろ痩せたる方にて体量は十三四貫目、席上本山氏の間に答へて牛乳等は飲まず、競争當日の朝飯は通常の飯に鶏卵二三箇を喰ひ晝食は競技終了後にもなさず、晩七時頃大阪ホテルにて大毎社の祝宴に列し始めて食せり、競走中、神戸出發後四哩程にて草鞋切れたるより、後十五六哩は跣足にて走れり(以下略)

日本マラソン発祥の地碑
名称 日本マラソン発祥の地碑/にほんまれそんはっしょうのちひ
所在地 兵庫県神戸市中央区加納町6-5
関連HP 神戸市公式ホームページ
電車・バスで JR三ノ宮駅・阪神三宮駅・阪急三宮駅から徒歩10分
ドライブで 阪神高速道路神戸線京橋ランプから約1kmで市営三宮駐車場
駐車場 市営三宮駐車場(1083台/有料)
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

神戸市庁舎展望ロビー

フラワーロード沿いに建つ、高さ132mの神戸市庁舎1号館24階の展望ロビー。高層階用エレベーターで上る無料展望スポットとして人気で、ポートアイランドや神戸港、神戸市街地や六甲山を眺望します。晴れた日には、大阪湾から紀伊半島まで見渡すことが可

東遊園地

東遊園地

兵庫県神戸市、神戸市役所近く、フラワーロードの西に広がる2.7haの園地が東遊園地。遊園地という名称ですが、遊戯施設はありません。神戸開港後の明治8年、「内外人公園地」という名で開園した日本で最初の西洋式運動公園で(外国人専用の運動場)、国

神戸税関(広報展示室)

神戸開港と同時に江戸幕府が開いた、兵庫運上所が前身となる歴史ある税関。明治6年に神戸税関と改称していますが、往時のままに神戸港の出入港を守っています。花崗岩・煉瓦張りの旧館は昭和2年築のレトロ建築。平成10年築の新館(3代目庁舎)と見事に調

日本一短い国道

日本一短い国道は神戸市に! その短さの理由は?

日本最長の国道は日本橋(東京都中央区)と青い森公園前(青森県青森市)を結ぶ国道4号で、距離はなんと739.0kmにも及びます。対する日本最短の国道は、兵庫県神戸市の国道174号。なんと距離は187.1m(0.1871km)。比率でいえば、3

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ