兵庫県加西市鶉野町にあるのが、鶉野飛行場跡(うずらのひこうじょうあと)。第⼆次世界⼤戦の戦局悪化に際して、パイロットを養成するために海軍が姫路海軍航空隊を開場、九七式艦上攻撃機を使用した実用訓練が行なわれていました。滑走路跡などが現存し、戦争遺跡「鶉野フィールドミュージアム」になっています。
姫路海軍航空隊の滑走路跡が現存
昭和18年3月に飛行場の工事に着工、10⽉に姫路海軍航空隊が開隊。
正式名は姫路海軍航空隊ですが、加西郡九会村の鶉野(うずらの)にあったため、地元では鶉野飛行場と通称されています。
滑走路は全長1200m、幅60mで、川西航空機姫路製作所鶉野工場で製造される紫電、紫電改、姫路海軍航空隊の使用する九三式中間練習機、九七式艦上攻撃機が飛び立った滑走路が現存しています。
戦争末期の昭和20年2月8日には、神風特別攻撃隊「白鷺隊」(はくろたい)が編成され、63人が沖縄戦に出撃、命を落としています。
鶉野飛行場には、地下暗号通信室、地下の弾薬庫などぶ厚いコンクリートで固められた地下施設が備わっており、その一部が現存。
戦後は陸上自衛隊の訓練施設(鶉野訓練場)となり、実写映画『火垂るの墓』(平成20年公開、主演・吉武怜朗)のロケ地にもなっていますが、滑走路も平成28年6月に防衛庁から加西市に払い下げられ、フィールドミュージアムとして活用されています。
飛行場の滑走路跡周辺には、戦闘機「紫電改」と、「九七式艦上攻撃機」の実物大模型を展示するミュージアム「soraかさい」、爆弾庫跡、素堀りの防空壕跡、巨大防空壕跡(鶉野飛行場跡地巨大防空壕シアター)、地下指揮所跡、機銃座跡、「鶉野平和祈念の碑」、鶉野飛行場資料館などがあります。
滑走路脇に立つ「鶉野平和祈念の碑」は、「史実を風化させず、次世代に記録として残すのが戦争体験者の責務だ」(上谷昭夫さん)という考えから鶉野平和祈念の碑苑保存会が平成11年に建立したもので、鶉野飛行場の沿革や神風特別攻撃隊「白鷺隊」の説明も添えられています。
鶉野飛行場跡(滑走路跡) | |
名称 | 鶉野飛行場跡(滑走路跡)/うずらのひこうじょうあと(かっそうろあと) |
所在地 | 兵庫県加西市鶉野町2274-11 |
関連HP | 加西市公式ホームページ |
電車・バスで | 北条鉄道法華口駅から徒歩30分 |
ドライブで | 中国自動車道加西ICから約6km、山陽自動車道加古川北ICから約7km |
駐車場 | あり/無料 |
問い合わせ | 加西市観光協会(soraかさい内)TEL:0790-49-8200 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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