勝山舘跡の山麓に建つ上國寺は、1443(嘉吉3)年、真言宗の僧、秀延阿闍梨(しゅうえんあじゃり)創建という古刹。創建と伝えられる1443(嘉吉3)年は、津軽相内の安藤盛季が南部氏との戦いに敗れて夷島(えぞがしま=中世の北海道の呼称)に逃れた年。その際、真言宗の僧侶や修験者も同行したので秀延もその一人と推測できます。
北海道で最も古い寺院建築
上國寺の開創時期は諸説あり、江戸時代の永禄年間(1558年~1570年)、松前藩初代藩主・松前慶広が、1454(享徳3)年に夷島に渡った藩祖、武田信弘(蠣崎信弘)の菩提(ぼだい)を弔うため開創したともいわれています。
現存する本堂は宝暦年間(1751年~1763年) 頃の建物で北海道で最も古い寺院建築で国の重要文化財。
平成の大修理では「明和6年」(1769年)と墨書された欄間束(らんまづか)も見つかっています。
開基から9代までは真言宗、3代大蔵法印秀海の時代から勝山館(かつやまだて)領主の菩提所となり、江戸時代中期ごろの10代目からは浄土宗の寺となっています。
境内のエノキの大木は、北海道随一のエノキの大木で、松前藩が山地の崩壊を防止するために本州から苗木を取り寄せ植林したと伝えられています。
15世紀半ばに始まった和人の北海道進出
1441(嘉吉元)年には泊(現・江差町)に観音寺、さらに1447(文安4)年に姥神大神宮が江差に創建されていますから和人の夷島(えぞがしま)進出が本格的に始まった時代と一致します。
松前藩の藩祖となった武田信広は、1454(享徳3)年、南部大畑から夷島に渡っています。
上國寺本堂 | |
名称 | 上國寺本堂/じょうこくじほんどう |
所在地 | 北海道檜山郡上ノ国町上ノ国 |
関連HP | 上ノ国町公式ホームページ |
電車・バスで | JR江差線上ノ国駅からタクシーで7分 |
ドライブで | 函館空港から約90km |
駐車場 | 10台/無料 |
問い合わせ | 上國寺 TEL:0139-55-2665 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag