日本のサケマスの養殖事業は、内別川・千歳川上流の湧水に目をつけた開拓使御用掛・伊藤一隆が明治21年に日本初の官営「千歳中央孵化場」を開設したことに始まります。その事業は、国立研究開発法人水産研究・教育機構 北海道区水産研究所として引き継がれていますが、見学施設の「千歳さけますの森 さけます情報館」も併設されています。
サケマス人工ふ化発祥の地
ふ化放流事業の歩みなどを紹介し、大型スクリーンでサケの迫力あるそ上やふ化の瞬間を見ることができる展示エリア、卵や稚魚などに触れられるミニ飼育池がある体験エリアがあり、無料施設としては充実した内容。
建物の横には「北海道紅鱒養殖発祥之地碑」も建てられています。
現在放流されるサケの沿岸回帰率は4〜5%。川に戻るのはさらに10分の1だとのこと。
近年の調査で、さけの里ふれあい広場周辺の千歳川上流で、サケやサクラマスの自然産卵が行なわれていることも確認されています。
松浦武四郎のシコツ川(千歳川)遡上
幕末の探検家、松浦武四郎の『夕張日誌』によれば、1857(安政4)年旧暦7月21日、武四郎は長都、祝梅と歩き、ウサクマイ(武四郎はヲサクマイと記載)から千歳川にそって道なき道をよじ登り、熊や鹿の足跡を追うようにしてトウヤ(支笏湖畔)に達しています。
支笏湖の湖畔(現在の支笏湖温泉あたりか)から筏(いかだ)を組みたて対岸の奥潭(オコタン)へと渡っているのです。
奥潭を「実に仙境とも云うべき処有り」と、我が目で見たように記していますが、実際はアイヌからの聞き取り取材で、筏は風波が強くてほとんど出航できなかったと推測されています。
当時、シコツ川(千歳川)は、シコツ十六場所と呼ばれるほど、秋には鮭が上りました。
安政4年7月21日に松浦武四郎が歩いたときも、「千歳さけますの森 さけます情報館」のあるウサクマイ(烏柵舞)あたりまでは、案外、楽な道のりだったのかもしれません。
千歳さけますの森 さけます情報館 | |
名称 | 千歳さけますの森 さけます情報館/ちとせさけますのもり さけますじょうほうかん |
所在地 | 北海道千歳市蘭越9 国立研究開発法人水産研究・教育機構 北海道区水産研究所千歳さけます事業所内 |
関連HP | 千歳さけますの森のホームページ |
ドライブで | 道央自動車道千歳ICから約9.8km |
駐車場 | 10台/無料 |
問い合わせ | 独立行政法人水産総合研究センター北海道区水産研究所千歳さけます事業所 TEL:0123-23-2804/FAX:0123-23-2449 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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