北海道苫小牧市、樽前山(1041m)山腹、樹海の一角に眠る口無沼(くちなしぬま)は、その名の通り、注ぎ込む川も、流れ出る川もない沼。昭和29年の洞爺丸台風と平成16年の台風18号の風で倒れた木も多いのですが、それでもまだまだ一面の樹海といった感じで、口無沼風景林に指定されています。
樽前山の樹海に眠る秘沼
標高は170mほどとさほど山岳地帯という感じではありませんが、周囲はヒグマの生息地のため、グループでの行動がおすすめ。
広い駐車場を起点に口無沼一周の遊歩道(平成元年に整備、全長1.1km)も整備されています。
ヒグマ対策をして、一周する遊歩道(踏み跡程度の場所も)を歩くと、湧水地があり、沼の水が湧水と天水で維持されていることがわかります。
国土地理院の地形図にも沼の名が記されていますが、は明治42年の樽前山の噴火(溶岩ドームの誕生)では、口無沼の水位の低下が記録されているので、明治30年代の森林開発の調査の際にはすでに沼の存在がわかっていたと推測できます(沼は昭和54年にも干上がっています)。
昭和54年に開催された『第1回千歳・支笏湖氷濤まつり』の氷は、この口無沼から切り出しています(現在では水を吹きかけて造成)
駐車場周辺が開けているのは、洞爺丸台風復旧植林の営林宿舎が建てられた場所だから。
洞爺丸台風風害試験地という森は、洞爺丸台風跡地に人工を加えず、そのままの状態にした試験地。天然更新したミズナラ、イタヤカエデ、シナノキ、ハルニレなどが育っています。
近くには望楼の建つ丸山遠見という穴場もあるので時間があれば寄り道を。
ちなみに、口無沼への林道は、狩猟期間を除き林道ゲートが開放されています(林道の詳細は胆振東部森林管理署糸井森林事務所に確認を)。
口無沼 | |
名称 | 口無沼/くちなしぬま |
所在地 | 北海道苫小牧市錦岡 |
関連HP | 苫小牧市公式ホームページ |
ドライブで | 道央自動車道苫小牧西ICから約9km |
駐車場 | 20台/無料 |
問い合わせ | 苫小牧市観光振興課 TEL:0144-32-6448 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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