福島県喜多方市の煉瓦蔵で知られる三津谷集落にあるのが三津谷登り窯(みつやのぼりがま)。明治23年に製瓦業として創業した古い歴史を誇る登り窯で、その後、煉瓦の焼成にも使われ、喜多方の煉瓦産業を支えた窯にもなっています。当初は7室(段)でしたが、現存する窯は大正時代に築窯された十連房からなる大型登り窯です。
大正時代に築かれた十連房の大型登り窯
窯を築いた、樋口市郎(ひぐちいちろう)は、新潟県亀田(現・新潟県新潟市江南区)出身の安田瓦職人(安田瓦=雪国の厳しい気候に対応する断熱性と耐寒性に優れた現在の阿賀野市の特産品)。
若喜商店冠木家に住み込みで働きながら、原料の粘土と燃料の赤松が大量に得られる火付沢(三津谷)を見出し、瓦を焼く登り窯を築き、凍害対策として灰汁を釉薬に使用した瓦を生産。
その後、その釉薬を使って煉瓦を焼成する「樋口煉瓦工場」を創業します。
加納鉱山(明治38年再開)の坑道、岩越鉄道(明治32年に郡山駅~若松駅が開通、現在の磐越西線)のトンネルや鉄橋の橋脚部分にレンガが必要なことから、三津谷登り窯で焼成した煉瓦を供給しているのです。
1回に約1万個のレンガが焼成できる登り窯で、煉瓦と瓦を焼く登り窯としては、日本で唯一稼動できるものです。
隣接して、煉瓦製造の資料を保存展示する「喜多方市煉瓦館」があります。
三津谷登り窯は、「喜多方市の赤煉瓦製造関連遺産と建造物」の一部として、経済産業省の近代化産業遺産(「建造物の近代化に貢献した赤煉瓦生産などの歩みを物語る近代化産業遺産群」)にも登録されています。
三津谷登り窯 | |
名称 | 三津谷登り窯/みつやのぼりがま |
所在地 | 福島県喜多方市岩月町宮津火付沢3564 |
関連HP | 喜多方煉瓦會公式ホームページ |
ドライブで | 磐越自動車道会津若松ICから約19km。または、会津坂下ICから約23km |
駐車場 | 20台/無料 |
問い合わせ | 喜多方煉瓦會 TEL:0241-23-5004 |
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