阿賀野川

阿賀野川

福島・栃木県境にそびえる荒海山(1581m/太郎岳)北面を源流に、荒海川、阿賀川(大川)と名を変え、会津盆地を流れ、さらに只見川となって流れ、新潟県に入って阿賀野川となり、新潟市の新潟空港横で日本海に注ぐ長大な河川が阿賀野川(あがのがわ)。幹川流路延長は210kmで、日本第10位、流域面積7710平方キロは日本第8位の河川です。

会津藩米を大坂に運んだ阿賀野川舟運

阿賀野川
阿賀野川源流の荒海山

源流となるのは福島県南会津町と栃木県日光市の境、荒海山(あらかいさん)の北面(南会津町)の荒海川源頭部。
八総鉱山跡からの登山道で山頂を目指せば、荒海川の源流を渡渉し、ロープを頼りにスラブ状の沢の源頭部を詰めていきます。
荒海山の山頂(双耳峰の西峰)には、「大河の一滴 ここより生る(阿賀野川水源之標)」と記された標石も置かれています。

阿賀川の流域は、大きな支流に分かれ、日橋川沿いの猪苗代湖や、只見川の尾瀬沼も阿賀野川の水源になっています。
年間の流出量は、129億立法メートルで、信濃川(9719立法メートル)に次いで国内第2位となっています(観測地点の流出量で、河口の流出量ではありません)。
その豊かな水資源を利用して、古くから電源開発が行なわれ、只見川のダム群は有名です。

本格的な舟運は、貞享2年(1685年)、塩川湊(現・喜多方市塩川町)〜新潟湊の廻米船道開削を行ない、貞享3年(1686年)、塩川村の栗村権七郎が会津藩から事業資金を借り入れ、20隻の船を建造し、会津廻米船を仕立てて塩川湊から新潟湊へと下ったのが始まり。

享保年間(1716年〜1736年)に塩川湊から中継点の津川湊までの河川改良工事が行なわれましたが、それでも舟運には危険が伴ったので、銚子ノ口など危険区間で陸路を迂回していました。

当初は弁財船を使いましたが、後に長良川の鵜飼船を改良した「さんぱ船」(阿賀川船、津川船)、平田船も使われました。

途中の津川湊は中継点として大いに賑わいました。
『日本奥地紀行』(原題:Unbeaten Tracks in Japan=日本における人跡未踏の道/明治13年)で知られる女性紀行作家のイザベラ・バード(Isabella Lucy Bird)も横浜〜日光〜会津〜越後と旅をし、阿賀野川の交易の要衝だった津川に宿泊し、「人口は3000人で、多くの物資がここから新潟に舟で送られる」と記し、イザベラ・バード自身も新潟へ舟で移動しています。
イザベラ・バードが日記に記した「庇の下が通路(ベランダ=雁木)となって続く」という地元で「トンボ」と呼ばれる雁木は、今も健在です。

会津藩は、大坂への廻米を、陸路だと非常にコストがかかるため、舟運の利用が不可欠だったのです。
下り船では廻米、薪炭、麻苧、煙草、塗物などが、上り船では塩、綿布、海産物などが輸送されました。
享保16年(1731年)には5万4000俵の米を阿賀野川の舟運を利用して新潟湊から西廻り航路(北前船)で大坂へと運んでいます。

舟運は明治時代に衰退し、大正3年11月、磐越西線郡山~新津間が全線開通し、鉄道、道路輸送に転換しています。

阿賀野川
河口近くに架る松浜橋(新潟県道17号新潟村松三川線)

「SLばんえつ物語」の車窓から阿賀野川を見物

阿賀野川
一ノ戸川橋梁を渡る「SLばんえつ物語」

「森と水とロマンの鉄道」という愛称があるのが阿賀野川沿いに走る磐越西線。
非電化のローカル線で、C57-180(昭和21年製造)を使った「SLばんえつ物語」(新津駅〜会津若松駅)が運行されています。
SLを使った観光列車としては最長距離(片道125km)を走行します。

沿線には、鉄道ファンが「お立ち台」と呼ぶ鉄道撮影地も数多く、山都駅近くの一ノ戸川橋梁はその筆頭です。

支流の只見川には多くの巨大ダムがありますが、阿賀野川本流では、鹿瀬ダム(新潟県阿賀町)が昭和3年完成の発電専用ダム(東北電力)で土木学会の土木遺産に選定。
多目的ダムとしては大川ダム(会津若松市、下郷町)が阿賀野川本流唯一のダムで、ダム湖の若郷湖(わかさとこ)は最大のダム湖となっています。

阿賀野川

阿賀野川源流・荒海山|福島県南会津町

阿賀川・阿賀野川名称分岐点|新潟県阿賀町、福島県西会津町

阿賀野川河口|新潟県新潟市

名称 阿賀野川/あがのがわ
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