大安場史跡公園(大安場古墳群)

大安場史跡公園(大安場古墳群)

福島県郡山市田村町にある都市公園が大安場史跡公園。公園内にある大安場古墳群の1号墳は、平成3年に発見された前方後方墳ですが、発掘調査の結果、墳丘長83mで、前方後方墳としては、東北地方最大ということが判明しています。出土した遺物や築造方法などから、4世紀後半、古墳時代前期の築造と推測されています。

1号墳は前方後方墳として東北地方最大!

大安場史跡公園(大安場古墳群)
1号墳は前方後方墳

古墳時代の最盛期で、大古墳群が吉備(岡山)、毛野(北関東)にも形成された時期。
阿武隈川の東岸、安積盆地に面した台地(比高15m)に前方後方墳(ぜんぽうこうほうふん)1基、円墳4基からなる古墳群が形成されたのです。
現在、大安場古墳群は、国の史跡に指定され、一帯は大安場史跡公園として整備されています。
同じ福島県でも会津盆地では、前方後円墳が多く築かれ(ただし、会津坂下町の鎮守森古墳は前方後方墳)、阿武隈川沿いの中通り地方に築かれたのが前方後方墳という点にも注目。

現在の栃木県那須地方で同時代に、盛んに前方後方墳が築造されているので、関係性もうかがえます。

大安場古墳群1号墳と、直径15mの円墳である2号墳(5世紀後半築造)は、墳丘に上ることが可能。
そのほか、大安場古墳や郡山市内の遺跡から出土した資料を展示解説する「ガイダンス施設」、遊具の備わる冒険広場、子どもの遊び場、発見の丘などが整備され、「ガイダンス施設」と古墳は、史跡のこみちで結ばれています。

大安場史跡公園(大安場古墳群)
2号墳は円墳(築造には1号墳と100年ほどのズレが)

平成3年に「中世の城館の濠」という情報で調査し、大発見

平成3年、中世の城館の濠(ほり)らしきものがあるという情報から、郡山市埋蔵文化財発掘調査事業団が一帯の山林を調査。
こうして、中通り地方で唯一という、古墳時代前期の大型古墳が発見されたのです。
墳丘の上からは、古墳時代の石製の腕輪・石釧(いしくしろ)、大刀、剣、農耕具などの副葬品が出土しています。
石釧は、緑色凝灰岩でできているため北陸の豪族のもとでつくられ(福井県坂井市・河和田遺跡周辺が生産地と想定)、ヤマト王権の豪族から、阿武隈川流域を治める豪族に贈られたものと推測されています。

大安場史跡公園(大安場古墳群)
名称 大安場史跡公園(大安場古墳群)/おおやすばしせきこうえん(おおやすばこふんぐん)
所在地 福島県郡山市田村町大善寺大安場160
関連HP 大安場史跡公園公式ホームページ
電車・バスで JR郡山駅から東山霊園・蓬田・馬場行きバスで金屋下車
ドライブで 東北自動車道郡山ICから約12km
駐車場 120台/無料
問い合わせ 大安場史跡公園 TEL:024-965-1088
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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