黄門の井戸

黄門の井戸

茨城県北茨城市大津町の五浦海岸(いづらかいがん)にあるのが、黄門の井戸。元禄年間(1688年〜1704年)、水戸藩主・徳川光圀(とくがわみつくに)が領内巡視で五浦を訪れた際、従者がのどが渇いた光圀に水をと井戸を探し、古井戸を発見。光圀の杖で水が湧き出した伝わるのが黄門の井戸です。

徳川光圀巡見中に水が湧き出したと伝える古井戸

井戸は深く、水に届かなかったのですが、徳川光圀が井戸をのぞき込んだ際、手にした杖が井戸の淵に当たり、底深くにあった水が湧き出したという伝説を生んでいます。
その後、「黄門の井戸」と呼ばれるようになり、地元の人にも活用されてきました。

徳川光圀は、元禄3年(1690年)に隠居し、現在の常陸太田市に西山御殿(西山荘)を構え、「西山隠士」(せいざんいんし)などと称して、領内の巡検を行なっています。
ひたちなか市の湊御殿(みなとごてん)と呼ばれた「い賓閣」(水戸藩の迎賓館)下の「金龍水松影ノ井戸」も水戸黄門名付けの井戸といわれ、徳川光圀が水を尊んだことがよくわかります。
ただし、時代劇や映画のような諸国漫遊は創作で、関東を出たことはなく、箱根から西へは足を伸ばしていません。

黄門の井戸近くには岡倉天心の墓もあるので、あわせて見学を。

黄門の井戸
名称 黄門の井戸/こうもんのいど
所在地 茨城県北茨城市大津町五浦
電車・バスで JR常磐線大津港駅からタクシーで5分。市内循環バスで15分(平日のみ運行)
ドライブで 常磐自動車道北茨城IC、または、いわき勿来ICから約10km
駐車場 市営五浦駐車場(30台/無料)
問い合わせ 北茨城市観光協会 TEL:0293-43-1111
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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