高瀬舟さかい丸

高瀬舟さかい丸

茨城県猿島郡境町の利根川・境河岸(さかいがし)と、江戸川の関宿水閘門を結ぶ川船が、高瀬舟さかい丸。利根川舟運で繁栄した境河岸の歴史を伝承するために運航されるもので、国道354号沿いの境リバーサイドパーク・境桟橋から全長13.4m、重さ4.2t、定員45人の遊覧船が出航しています。

利根川舟運で繁栄した境河岸を知るミニクルーズ

高瀬舟さかい丸
関宿水閘門を見たらUターン

江戸と東北を結んだ利根川水運で銚子、佐原、木下と並んで拠点だった境河岸。
日光東往還は、関宿関所~江戸川の渡し~関宿江戸町~境の渡し(利根川)~境河岸~境町と通じていました。
利根川左岸に位置する境河岸には、4隻の高瀬舟を保有し大荷物を取り扱った「兵庫」(青木兵庫家)と、8隻を保有し、小荷物を扱った「五右衛門」(小松原五右衛門家)の2軒の河岸問屋(かしどんや=荷物の積下しを取り仕切った問屋)があり、天明5年(1785年)には境河岸全体で戸数156軒、船乗り、水揚人足、日雇人足ら491人を数えたほどに繁栄していました。

大量の物資を安く、迅速に運ぶには、陸上輸送より、川船で運ぶ方がより効果的で、江戸川の最上流に位置する関宿向河岸と(江戸川沿いには野田もあり、味噌・醤油の運搬にも利用されました)、江戸川の入口の境河岸は、川船の出入りで大いに賑わっていました。

「高瀬舟さかい丸」は、日光東往還リバーサイド修景事業で境河岸が復元されたのを契機に、観光船にアレンジした高瀬舟を運航するもの。
境の渡し周遊航路(境リバーサイドパーク・境桟橋~関宿水閘門遊覧)を運航し、船上からは、歴史的建造物(昭和2年完成/土木学会選奨土木遺産)の関宿水閘門(せきやどすいこうもん)を眺めることができます。
関宿水閘門を近くで眺めたあとは、出発点の境桟橋に戻る、40分ほどのクルーズです。
定期船は金・土・日曜のみで(火・水・木曜は予約貸し切りのみ)、しかも便数が限られ、水位低下などで運航休止となることもあるので、事前に運航状況の確認が必要。

茨城百景記念公園側の一里塚境河岸から見る富士山は、国土交通省の「関東の富士見百景」にも選定。

ちなみに高瀬と呼ばれる川船は京だけでなく全国各地の河川にあり、利根川の高瀬舟は大量の米を運搬する必要から最大で26.7mもの大きさがありました。
当時の川船では最大級の船が利根川を行き来していたことになり、江戸にある諸藩の屋敷や武士だけでなく、江戸庶民の消費生活を支える大動脈として機能していました。

高瀬舟さかい丸
名称 高瀬舟さかい丸/たかせぶねさかいまる
所在地 茨城県猿島郡境町利根川河川敷
関連HP 境町観光協会公式ホームページ
ドライブで 東北自動車道加須ICから約20km
駐車場 50台/無料
問い合わせ 道の駅さかい TEL:0280-87-5011/FAX:0280-87-5015
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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