石川県輪島市門前町にある鳴き砂で知られる海岸が千代浜。門前町には、2ヶ所の鳴り砂(鳴き砂)の浜があり、琴ヶ浜が輪島市の天然記念物で、鳴り砂の保存ゾーンになっているのに対し、千代浜は鳴り砂ふれあいゾーンに指定され国道249号沿いに千代「泣き砂」ふれあい広場が設けられています。
全国的にも珍しい鳴り砂(鳴き砂)の浜
鳴き砂海岸は、外国でもミュージカルサンド(musical sand=音楽砂)、シンギングサンド(singing sand=歌う砂)と呼ばれていますが、共通する特徴は砂浜に含まれる石英(結晶性シリカ)の豊富さ。
奥能登ではまれな花崗岩の山が門前町の阿岸川と仁岸川の上流2ヶ所にあることから、川で海へと運ばれた花崗岩に含まれる石英が日本海の荒波で洗われ、浜に堆積し、全国的にも珍しい鳴り砂の浜が誕生したのです。
砂浜の砂を手に取ると、キラキラひかるガラスのように透明な小さな粒がたくさん見つかりますが、これが石英で、石英の砂粒の層が振動することで、音を出すと推測されています。
石英粒の表面が少しでも汚れると音が出なくなるため、国内に60ヶ所以上を数えた鳴き砂の浜も、今では20ヶ所ほどに減少。
日本海側では新潟県新潟市の角海浜も鳴り砂海岸でしたが、今では音を出さなくなっています。
千代「泣き砂」ふれあい広場の駐車場北側には、屋根付きの鳴き砂体験施設が用意されています。
干潮時であれば、波打ち際の近くを、カカトで砂を蹴るようにしながら歩くと、音が出るところが見つかります。
ちなみに広場では「泣き砂」、体験施設では「鳴き砂」と表現されていますが、一般的には「鳴き砂」(「鳴り砂」)がポピュラーな表現です。
ただし、門前町ではお小夜の涙が砂となり、砂丘を歩くと「キュッキュッ」と泣くような音がするという「お小夜と重蔵の悲恋物語」が伝承されるため、「泣き砂」と表現されています。
その悲恋伝説から、地元では鳴き浜を泣き浜(ごめきはま)と呼称。
千代浜の北にある黒島集落は、北前船で繁栄した歴史を残す町(船主集落)で、輪島市黒島地区伝統的建造物群保存地区に指定されています。
千代浜(千代「泣き砂」ふれあい広場) | |
名称 | 千代浜(千代「泣き砂」ふれあい広場)/せんだいはま(せんだい「なきすな」ふれあいひろば) |
所在地 | 石川県輪島市門前町千代 |
電車・バスで | JR羽咋駅から能登西部バス富来行きで1時間3分、終点下車、関野経由門前行きに乗り換え50分、北川下車、徒歩5分 |
ドライブで | のと里山海道西山ICから約38km |
駐車場 | 10台/無料 |
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