石川県羽咋郡宝達志水町にあるのが、加賀藩十村役岡部家。加賀藩十村役(とむらやく)を務めた名家で、現存する建物は、元文元年(1732年)築の入母屋造り、茅葺き屋根で、石川県の有形文化財に指定。外塀には五福神の鬼瓦を配し、往時を偲ばせてくれます。
羽咋郡で、加賀藩十村役を務めた名家
源平合戦・一の谷の戦いで手柄を立てた岡部六弥太忠澄に鎌倉幕府が与えた領地のひとつが、口能登。
口能登に親族を送り込んだのが岡部家のルーツとされ、江戸時代には加賀藩十村役所を務め、幕末の黒船が来航した嘉永6年(1853年 )には、加賀藩12代藩主・前田斎泰(まえだなりやす)の能登巡行の際の宿泊本陣にもなっています。
十村制(とむらせい)は、加賀藩の3代藩主・前田利常(まえだとしつね)が制定した農政制度「改作法」(かいさくほう)における管理監督役で、地方の有力な農民を十村として採用、農村全体を管理監督し、一向一揆の監視、さらに徴税を円滑に進める制度で、配下には10村以上の村がありました。
羽咋郡では、岡部家、喜多家、加藤家が十村役を務め、現在の宝達志水町では、十村屋敷「喜多家」も現存し、見学ができます(能登国鳳至郡では、上時国家、下時国家、中谷家なども十村役です)。
茅葺き屋根は、麦藁(むぎわら)、稲藁、茅による三重構造になっています。
屋敷内には、拝領の矢で作られたという矢屏風のほか、勝海舟(かつかいしゅう)、山岡鉄舟(やまおかてっしゅう)、高橋泥舟(たかはしでいしゅう)の「幕末の三舟」(ばくまつのさんしゅう)、西郷隆盛、副島種臣(そえじまたねおみ)、岡本黄石(おかもとこうせき)などの書幅が展示されています。
老木に囲まれた回泉式庭園は風情もたっぷり。
庭園は、加賀藩のお抱え庭師・能登の駒造の作庭と伝わっています。
加賀藩十村役 岡部家 | |
名称 | 加賀藩十村役 岡部家/かがはんとむらやく おかべけ |
所在地 | 石川県羽咋郡宝達志水町荻谷42 |
関連HP | 宝達志水町公式ホームページ |
電車・バスで | JR敷浪駅から徒歩25分 |
ドライブで | 能登道路今浜ICから約4.5km |
駐車場 | 30台/無料 |
問い合わせ | 宝達志水町埋蔵文化財センター TEL:0767-28-5180 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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