岩手県盛岡市にある石川啄木、宮沢賢治ゆかりの曹洞宗の寺が報恩寺(ほうおんじ)。報恩寺は、盛岡市街の北の寺町(北山・名須川寺院群)に位置し、藩政時代には、盛岡五山のひとつに数えられていたという歴史ある古刹。石川啄木の詩集『あこがれ』のなかの「落瓦の賦」は報徳寺をうたったものです。
羅漢堂には499体の羅漢像を安置
若いころから熱心な『法華経』の信者で、仏教に帰依していた宮沢賢治も盛岡高等農林学校(現・岩手大学農学部)時代にたびたび報恩寺に参禅しています(宮沢賢治は北山、名須川町の寺々に下宿していました)。
羅漢堂には、享保16年(1731年)から4年を費やし、京で9人の仏師が制作した500体の羅漢が安置されています。
報恩寺第17世・曇樹和尚が大願主となって施入したもの。
胎内銘から、大仏師・法橋宗而重賢、駒野定英珍盈(ちんえい)を主班とし、駒野丹下定孝ら9人の仏師が担当したことが判明。
499体が現存し、制作者や製造年代が特定されている貴重な羅漢像です。
仏像の台座がすべて箱型なのは、輸送に便利ということから(輸送に用いた箱を利用)。
羅漢堂自体は棟札から享保20年(1735年)築で、嘉永3年(1850年)〜嘉永4年(1851年)に改築されています。
ちなみに、盛岡五山は、南部家第26代で初代盛岡藩主・南部信直が定めた5ヶ寺。
京にならって、北部丘陵を「北山」と呼んで南部領内の寺社を集め(北山・名須川寺院群)、聖寿寺、東禅寺、法泉寺(以上臨済宗)、報恩寺(曹洞宗)、教浄寺(時宗)を盛岡五山と定めました。
報恩寺 | |
名称 | 報恩寺/ほうおんじ |
所在地 | 岩手県盛岡市名須川町31-5 |
電車・バスで | JR上盛岡駅から徒歩10分。または、JR盛岡駅から徒歩30分 |
ドライブで | 東北自動車道盛岡ICから約6.5km |
駐車場 | 40台/無料 |
問い合わせ | 報恩寺 TEL:019-651-4415 |
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