岩手県一関市にある中尊寺に現存する荘園絵図『陸奥国骨寺村絵図』(国の重要文化財)に記された荘園(しょうえん)の景観が現存する中世の遺跡が、骨寺村荘園遺跡(ほねでらむらしょうえんいせき)。国の史跡に指定されるだけでなく、「一関本寺の農村景観」(いちのせきほんでらののうそんけいかん)として国の重要文化的景観に選定。
骨寺村荘園交流館を起点にマナーを守って散策を
もともとは、中尊寺の経蔵(きょうぞう)別当の所領だった荘園。
初代別当・自在房蓮光(じざいぼうれんこう)が、私領の骨寺を中尊寺経蔵に寄進したことに始まっています。
鎌倉時代の歴史書『吾妻鏡』に「経蔵領骨寺堺四至 東鎰懸(かぎかけ)、西山王窟、南岩井川、北峯山堂馬坂也」と村の四方の境が示され、さらに『陸奥国骨寺村絵図』によって往時の姿が判明しています。
ちなみに中尊寺に残る骨寺村の関係文書は永享7年(1435年)が最後なので中尊寺の荘園としての機能は15世紀半ばころには終焉していたと推測できます。
荘園遺跡を構成する天台宗の護法神・山王神を祀る山王窟(さんのういわや)、駒形根神社(国の史跡)、梅木田遺跡、伝ミタケ堂跡(峯山堂の跡)、遠西遺跡、要害館跡(ようがいだてあと)、若神子社、不動窟(ふどうのいわや)、慈恵塚、慈恵大師拝殿、白山社が国の史跡として保護の対象になっています。
田んぼも圃場整理が行なわれず、中世と同じ曲がりくねった畦道(あぜみち)が残され、中世以来の水系が大きく変わることなく利用され続けています。
曲がりくねった水路、鎮守の森、イグネと呼ばれる防風林が家々の西側に造られ、美しい風景を支えています。
私有地がほとんどのため、国道、県道、市道以外への車の侵入は不可。
許可なく田畑や屋敷内に立ち入ることもできません。
骨寺村荘園交流館(郷土料理レストランや産直コーナーも営業)がビジターセンターとして設置されているので、トイレなどはそこが利用可能。
骨寺村荘園交流館の駐車場に車を入れ、40分〜1時間ほどの散策コースを歩くことができます。
一関周辺で取材班おすすめの宿は!?
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かんぽの宿一関
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風呂は天然温泉(宝竜温泉「宝の湯」)で露天風呂も完備。
前沢牛、いわて南牛(一関のブランド牛)など地の素材を活かした料理は宿泊プランによって変わるので、予約の際に確認を。
骨寺荘園遺跡 | |
名称 | 骨寺荘園遺跡/ほねでらしょうせんいせき |
所在地 | 一関市厳美町字若神子241-2 |
関連HP | 骨寺荘園遺跡公式ホームページ |
電車・バスで | JR一ノ関駅からタクシーで30分 |
ドライブで | 東北自動車道一関ICから約14km |
駐車場 | 骨寺村荘園交流館前駐車場・骨寺村荘園休憩所駐車場/無料 |
問い合わせ | 骨寺村荘園交流館 TEL:0191-33-5022/FAX:0191-33-5022 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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