日本広しといえど、実は天然炭酸泉という泉質の温泉は限られた数しかありません。というのも遊離二酸化炭素(炭酸ガス)が1000㎎/㎏以上が炭酸泉(二酸化炭素泉)。金山町の温泉保養施設 「せせらぎ荘」の大黒湯は、1121mg/kgで見事にこの基準をクリア。しかもせせらぎ荘では別の湯船で玉梨温泉も楽しめるので、温泉ファンに大人気!
ホットなサイダーにドボンと浸かったら、こんな感じ!?
温泉法で温泉の成分は、
陰イオン=炭酸水素イオン(HCO3-)、炭酸イオン(CO32-)
遊離成分(または非解離成分)=遊離二酸化炭素(CO2)
に分けられています。
炭酸水素塩泉は、炭酸水素塩(HCO3)を含む化合物を主成分とする温泉で純粋な炭酸泉(二酸化炭素泉)ではありません。
あくまで遊離二酸化炭素(CO2)の量が1000㎎/㎏以上でないと、炭酸泉(二酸化炭素泉)を名乗ることができません。
遊離二酸化炭素(炭酸ガス)が1000㎎/㎏以上で、しかも溶存物質総量1000㎎/㎏以上(温泉成分が詰まっているということ)のとき、泉質名は「含二酸化炭素-陽イオンの主成分-陰イオンの主成分」となるので、温泉保養施設 「せせらぎ荘」で利用される泉質の一つ「大黒湯」は、含二酸化炭素-ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩温泉という表示に。
素人目にも何やら成分たっぷりで、それでいてシュワシュワする感じが伝わる泉質名です。
大黒湯は源泉温度36.8度という温湯(ぬるゆ)。
ヌルいじゃないか! と思われる人もいるかと思いますが、実は炭酸は温度を上げれば揮発が進んでしまいます。
つまりは「高濃度の炭酸+温湯+源泉かけ流し」というのが最高の条件になるというワケ。
ちなみに炭酸ガスを発生するタブレットの入浴剤は、残念ながら遊離二酸化炭素が空気中に放出されてしまい、炭酸泉とは言い難い内容になっています。
というわけで、温泉保養施設 「せせらぎ荘」の大黒湯は、実にありがたーい温泉なのです。
取材協力/金山町
取材日/平成30年1月22日
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag