関西にも崎陽軒のシウマイ弁当が!? それが「関西シウマイ弁当」

関西シウマイ弁当

下り東海道新幹線に乗車すると、必ず車内で誰かが食べているのが老舗・崎陽軒(きようけん)の「シウマイ弁当」。食べる順番まで話題になるほどの名物弁当ですが、関西からの上りの新幹線でも似たような弁当を見かけることがあります。これが「関西シウマイ弁当」です。はたして何が違うのでしょうか?

正式名は「まねき食品×崎陽軒 関西シウマイ弁当

関西シウマイ弁当

横浜・崎陽軒のこだわりを詰めて、「横浜名物シウマイの妹分として」(崎陽軒)、1954年に登場した「シウマイ弁当」。
豚肉と干帆立貝柱の入った、冷めてもおいしいシウマイはまさに絶品。

かつて崎陽軒は全国のスーパーマーケットでシウマイを展開していましたが、「目先の数字よりもブランドを大切に」ということから、2010年頃に横浜エリアを中心とした販売に切り替え、あえてローカルブランドに徹しています(崎陽軒の経営理念に「真に優れた『ローカルブランド』をめざします」があります)。 

日本で最も多く製造・販売されている駅弁は、この「シウマイ弁当」。
駅だけでなく、首都圏では羽田空港などでも販売されていますが、ご当地主義のため、関西では味わうことができませんでした。

駅弁を製造販売する会社はコロナ禍で大きな打撃を受けましたが、姫路駅の駅弁が発祥で、関西では有名な「まねき食品」が「2020 年3 月、駅弁業界から経済を活性化させるため、崎陽軒に「シウマイ弁当」とコラボレーションをさせていただけないかとお願いしました」(まねき食品)。
崎陽軒が快諾して誕生したのが「関西シウマイ弁当」(正式名は「まねき食品×崎陽軒 関西シウマイ弁当」)です。

単に崎陽軒の「シウマイ弁当」を関西で販売するのではなく、シウマイ弁当に関西の出汁文化を融合させた弁当を開発。
食材や調味料の選定、さらに細やかな味付け、盛付け方や色彩のバランスなど、「関西らしさ」にこだわった「シウマイ弁当」が開発されたのです。
本家・崎陽軒のブランドイメージを壊さずに、味と見栄えに関西らしさを出すという難易度の高いチャレンジとなったのです。
しかも「容器に使っている経木に水分を吸う特性があるため、米の味と歯触りをしっかり感じられる状態に炊き上がるよう、水分量を何度も調整」という苦労も。
1年半かけて誕生した「関西シウマイ弁当」、メインとなるシウマイは崎陽軒が関西向けに開発、昆布だしと鰹節で旨みを引き出すなど、「関西の出汁文化」と「シウマイ」を融合させています。
ヒガシマルの淡口醤油と、スッキリとした味わいが特長のあご出汁を使い出汁の旨味を凝縮させた「あご出汁唐揚げ」、姫路のソウルフード「まねきのえきそば」の出汁で煮た「拍子木切り筍煮」、関西の出汁文化を代表する「出汁巻玉子」、さらに柚子がふわっと香る「鯖の幽庵焼」、まねき食品の人気の品「黒花豆煮」など、なにやら料亭料理を思わせるような内容に。

明治22年、日本で初めて経木(きょうぎ)の折箱に入れた幕の内弁当が姫路駅構内で販売されていますが、これも老舗「まねき食品」が考案したもの。
「関西シウマイ弁当」にも、この伝統の経木折(きょうぎおり)が採用され、ご飯やおかずの水分を適度に吸い取って、昔ながらの弁当の良さが伝わってきます(同時に、食品の傷みを防いでいます)。

JR姫路駅の新幹線上り弁当売店、新幹線下り弁当売店、在来線下り弁当売店、まねき阪神梅田店、まねき大丸心斎橋店などで販売。

往路は「シウマイ弁当」、帰路は「関西シウマイ弁当」の食べ比べもおすすめです。
値段は1折1080円(税込み)。

ちなみに、2025年で71年目を迎える崎陽軒「シウマイ弁当」は、2025年2月1日から値上げされ120円値上げして1070円と、1000円台を突破します。

関西にも崎陽軒のシウマイ弁当が!? それが「関西シウマイ弁当」
関連HP まねき食品公式ホームページ
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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