鹿児島県指宿市の山川地区、長崎鼻の東、伏目海岸にあるのが、山川製塩工場跡。昭和18年頃から昭和39年まで、海岸一帯に湧く伏目温泉(山川温泉)の温泉熱を利用し、製塩事業が行なわれていた場所で、塩田跡と泉源、温泉の噴気が不思議な景観を生み出しています。
戦時下に生まれた天然塩の製造工場跡が絶景を生み出す!
太平洋戦争の勃発で、塩の生産が激減、輸入も困難となって塩不足が発生(塩は割当配給制に)、昭和17年、政府は緊急対応で簡易な手続きで製塩事業が行なうことができる自給製塩制度(自家用塩制度)を打ち出し、全国で新しい製塩事業が行なわれるようになったのです(当時、塩は専売制度でした)。
指宿ではこの制度を利用して各地で製塩が行なわれていました。
戦後は昭和24年に日本専売公社が設立し、加圧式海水直煮製塩も軌道に乗り、国内塩の生産量は飛躍的に増加。
製塩業の近代化により塩が過剰生産される事態が生まれたことで、昭和34年〜昭和35年の第3次塩業整備で、国内では2000haの塩田が姿を消し、その後、山川製塩工場も昭和39年にその役割を終えたのです。
産業としての天然塩の製塩事業が行なわれていた日本最後の地ともいわれるのがこの指宿なのです。
山川製塩工場跡近くには、「ヘルシーランド露天風呂 たまて箱温泉」があるので、たまて箱温泉を目標にアクセスを。
山川製塩工場跡 | |
名称 | 山川製塩工場跡/やまがわせいえんこうじょうあと |
所在地 | 鹿児島県指宿市山川福元 |
関連HP | 指宿市観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR山川駅からタクシーで15分 |
ドライブで | 九州自動車鹿児島ICから約55km |
駐車場 | 50台/無料 |
問い合わせ | 指宿市観光課 TEL:0993-22-2111 |
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