鹿児島県出水市平和町、出水ゴルフクラブ南側に現存する3基の遺構が、出水海軍航空基地掩体壕(いずみかいぐんこうくうたいきちえんたいごう)。掩体壕とは、戦闘機などを爆撃から守るために築かれたコンクリート製のシェルターのこと。頑強な造りのため、田園風景の中に残されています。
鹿児島県道373号(荘上鯖淵線)沿いに3基が現存
300haという広大な敷地を有した出水海軍航空基地は昭和12年に飛行場の建設を開始し、昭和18年4月15日に開隊(第十二連合航空隊に編入)。
帝国海軍が、太平洋戦争開戦後の航空要員大量養成のため、初歩練習部隊として設置した施設で、予科練や、学徒動員された予備学生の操縦教育を行なっていました。
戦争激化に伴い、昭和20年2月11日に解隊し、朝鮮半島・光州へ退避し、光州海軍航空隊として再編成されています。
その後は特攻隊の基地として使われたという悲しい歴史を秘めていますが、飛行場の跡地は、出水自動車教習所、出水ゴルフクラブなどになり、特攻碑公園に残される戦闘指揮所地下壕、哨舎の遺構と、掩体壕が戦争遺跡としてその歴史を後世に伝えています。
出水海軍航空基地掩体壕は3基あり、そのうちの2基は鹿児島県道373号(荘上鯖淵線)沿いにあり、南九州自動車道・高尾野北ICから出水麓武家屋敷群に向かう途中にあるので、寄り道にも絶好(吉井中央病院を目印にし、その西側に2基の掩体壕が現存)。
現存する3基の掩体壕は、下水流地区に昭和18年に開隊した第二出水海軍航空隊の施設です。
出水ゴルフクラブの北側、北北西に伸びる直線道路が、かつての滑走路の跡、現在は道路に転用されていますが、その道路だけが斜めに走っているので(他の道路は南北)、滑走路跡だとわかります。
出水海軍航空基地掩体壕 | |
名称 | 出水海軍航空基地掩体壕/でみずかいぐんこうくうきちえんたいごう |
所在地 | 鹿児島県出水市平和町366・381・大野原町 |
電車・バスで | 肥薩おれんじ鉄道西出水駅からタクシーで5分 |
ドライブで | 南九州西回り自動車道高尾野北ICから約2.5km |
駐車場 | あり/無料 |
問い合わせ | 出水市商工観光部商工観光課 TEL:0996-63-2111 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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