神奈川県愛甲郡愛川町、ヘラブナ釣場のある中津川に合流する支流の塩川南沢に懸かる滝が、塩川滝。経ヶ岳(633.1m)の西肩、半原越(488m)を源流とする塩川南沢の標高150mほどに位置しています。市街地から比較的近くにあり、滝近くまで車道で通じていますが、まだまだ秘瀑的な存在となっています。
峯入り修行(入峰修行)のルート途中にある、修験の滝

塩川が中津川と合流する地点には国道412号(半原バイパス)が通っていますが、高規格道路のため、滝への分岐はありません。
ドライブの場合は、圏央道・相模原愛川ICが起点となり、駐車場まで所要30分。
東名高速道路・厚木ICからなら50分ほどの所要です。
落差は15mほどで、伝承では奈良時代の神亀年間(724年〜729年)、東大寺の別当・良弁(ろうべん)が清龍権現を祀ったといい、八菅山光勝寺(現・八菅神社/はすげじんじゃ)から大山寺・不動堂(現・阿夫利神社下社)に至る山岳修験ルート「八菅修験」(はすげしゅげん)の第五番の行所となっていました。
中世には、八菅山光勝寺の鎮守「七所権現」として熊野権現を中心に、蔵王権現、箱根権現、男山八幡、山王権現、白山権現、伊豆走湯権現が祀られ、峯入り修行(入峰修行)が明治5年の修験宗廃止令の前年まで続けられていました。
まさに日光の峯入り修行(入峰修行)と同様の修験の道が、八菅山と丹沢・大山の間の峰々はあったのです。
その清めの場であり、修験の地となったのが塩川滝ということに。
滝前には、「塩川大神、清龍権現・飛龍権現」の石碑があり修験の歴史を物語っています。
地質的には、丹沢山地と小仏山地を堺にする愛川-藤野木構造線の断層面に沿ってできた滝です。
丹沢山地は伊豆弧の丹沢火山島として生まれ、フィリピン海プレートの移動によって600〜500万年前に本州弧に衝突していますが、この愛川-藤野木構造線は、かつてのプレート境界(伊豆・小笠原弧の沈み込み帯)なのです。


【神奈川の秘瀑】「八菅修験」の地、塩川滝 | |
名称 | 塩川滝/しおかわだき |
所在地 | 神奈川県愛甲郡愛川町半原 |
関連HP | 厚木市観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | 本厚木駅から神奈川中央交通バスで37分、馬渡下車、徒歩15分 |
ドライブで | 圏央道相模原愛川ICから約10km。東名高速道路厚木ICから約15.5km |
駐車場 | あり/無料 |
問い合わせ | 愛川町観光協会 TEL:046-285-2111 |
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