旧魚梁瀬森林鉄道施設・法恩寺跨線橋

旧魚梁瀬森林鉄道施設・法恩寺跨線橋

高知県安芸郡奈半利町(なはりちょう)にある石造アーチ橋。実は、魚梁瀬杉(やなせすぎ)を搬出した魚梁瀬森林鉄道の廃線跡の旧魚梁瀬森林鉄道施設・法恩寺跨線橋。昭和8年頃に築かれたと推測される幅2.98m、径間3.3mの石造アーチ橋で、三光院観音堂への跨線橋(歩道橋)としての役割を担っていました。国の重要文化財に指定。

三光院へと上る参道が跨線橋に

魚梁瀬森林鉄道安田川線は、奈半利貯木場へと材木を運んだ森林鉄道。
その奈半利貯木場の近くにあるのが法恩寺跨線橋です。
森林鉄道敷設の際に、寺の斜面を切り崩したため、跨線橋を築いたのです。
斜面側の擁壁も敷設の際に築かれた石壁で、平成16年に積み直しています。

階段(4.495m)と歩道(5.55m)に分かれ、現在も利用される参道になっています。
跨線橋の先にはさらに石段が続いています。

魚梁瀬森林鉄道は、国内3番目に開通した森林鉄道で、全盛期には総延長250kmにも及んでいました。
日本最初の森林鉄道は、青森県の津軽森林鉄道で、明治39年に着工されていますが、その津軽森林鉄道の貨車を使って、明治40年、安田川沿いに軌道を敷設しています。
昭和7年、奈半利川沿いの田野~二股間、昭和8年、立岡~奈半利間に森林軌道が敷設されています(昭和17年に奈半利川線全通)。
その敷設年から昭和8年完成と推測されているのです。

旧魚梁瀬森林鉄道施設・法恩寺跨線橋
名称 旧魚梁瀬森林鉄道施設・法恩寺跨線橋/きゅうやなせしんりんてつどうしせつ・ほうおんじこせんきょう
所在地 高知県安芸郡奈半利町乙254-3
関連HP 中芸地区森林鉄道遺産を保存・活用する会公式ホームページ
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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