熊本県玉名市にある6世紀末〜7世紀前半に築造された円墳が、永安寺東古墳(えいあんじひがしこふん)。菊池川右岸の玉名平野をのぞむ丘陵の先端に2基の円墳が築かれ、隣接して永安寺西古墳があります。永安寺東古墳は装飾古墳で、石室内には赤の顔料で三角文・円文、船や馬が描かれています。
墳丘の大半が失われていますが、装飾された石室が現存
永安寺東古墳は、墳丘の大半が失われていますが、小規模な円墳と推測され、東南に開口する横穴式石室のうち、後室と前室の一部が現存。
阿蘇溶結凝灰岩を使った石室に、赤色の顔料で船や馬と推測できる絵柄が描かれ、玉名市周辺に多い装飾古墳の代表格になっています。
永安寺と呼ばれる寺院跡を挟んで40mほど西に位置する永安寺西古墳も装飾古墳ですが、劣化が激しく、色が失われ、外郭線だけが残されています。
平成28年4月の熊本地震で土砂が流入、令和2年7月の熊本豪雨では永安寺東古墳の墳丘部に亀裂が入っているため、現在内部の見学はできません。
「熊本県立装飾古墳館」(熊本県山鹿市)の装飾古墳室では、熊本県内の主要な装飾古墳のうちチブサン古墳、永安寺東古墳、井寺古墳など12基を選び、これらの精密なレプリカを作り、出土した副葬品などとともに展示しているので、装飾古墳に興味があるなら、ぜひ見学を。
熊本県内の装飾古墳で公開されることのある古墳としては、永安寺東古墳(玉名市)のほか、大坊古墳(玉名市)、袈裟尾高塚古墳(菊池市)、チブサン古墳(山鹿市)、横山古墳(山鹿市)、塚坊主古墳(和水町)、石之室古墳(熊本市)、宇賀岳古墳(宇城市)、田川内1号墳(八代市)、京ガ峰横穴群(錦町)、大村横穴群(人吉市)があります。
永安寺東古墳 | |
名称 | 永安寺東古墳/えいあんじひがしこふん |
所在地 | 熊本県玉名市玉名3235 |
関連HP | 玉名市公式ホームページ |
電車・バスで | JR新玉名駅から徒歩20分 |
ドライブで | 九州縦貫自動車道菊水ICから約6km |
駐車場 | あり/無料 |
問い合わせ | 玉名市教育委員会文化課 TEL:0968-75-1136/FAX:0968-75-1138 |
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