京都盆地の北にある周囲1.5km、面積9haの深泥池(みぞろがいけ、みどろがいけ)。一帯に広がる水生植物群落は、国の天然記念物に指定されています。池内の各所に氷河時代の生き残りと考えられる北方系の動植物が生育。ミズゴケ湿原には西日本の平坦地では珍しい浮島があるなど、都市部としては非常に貴重な自然が残されています。
池全体の1/3の面積が浮島!
湿原化が進む深泥池の誕生は、14万年前という気の遠くなる昔。
以来、泥炭化が進み、まさに深泥の状態になっています。
池の南側にわずかながらの水部がのこされていますが、その中心にミズゴケ湿原が発達し、浮島を観察できます。
浮島は季節により上下に変動し、夏には浮上し、冬は冠水して水没していまうというユニークなもの。
100種以上の野鳥も観察できます。
平安時代からは水鳥の狩猟の場として重宝されていたのだとか。
京料理には欠かせないじゅんさいは、かつてこの池の特産品でした。
4月中旬にはミツガシワが満開になり見事。
ミツガシワのほか、カキツバタ、ジュンサイ、ヒメコウホネ、タヌキモなどが生育。
ちなみに池の南端は堰堤状になっていますが、1500年前に溜池にするために盛られた土。
平清盛が疫病退散のため、京へと入る街道口に保元年間(1156年~1159年)、地蔵堂を建立。
鞍馬街道の入口に地蔵菩薩が配されたのです。
中世から近世には御菩薩池(みどろいけ)として「京の六地蔵巡り」の一ヶ所となり、地蔵信仰の霊地となっています。
御菩薩池の名のもとになった地蔵菩薩は、明治初年の神仏分離令で上善寺(京都市北区鞍馬口通寺町東入上善寺門前町338)に移され、その後、深泥池という名前が定着しました。
深泥池 3つのチェックポイント
京都市街に奇跡的に残された豊かな自然
氷河期の残存植物が生育
ミズゴケ湿原には浮島もある
深泥池 | |
名称 | 深泥池/みぞろがいけ、みどろがいけ |
所在地 | 京都府京都市北区上賀茂狭間町 |
関連HP | 京都市公式ホームページ |
電車・バスで | 地下鉄烏丸線北山駅から徒歩15分 |
ドライブで | 名神高速道路京都南ICから約13km |
問い合わせ | 京都市文化財保護課 TEL:075-366-1498/FAX:075-213-3366 |
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