喜多院(川越大師)・五百羅漢

喜多院(川越大師)・五百羅漢

埼玉県川越市にある、円仁(慈覚大師)創建と伝えられ、家康・秀忠・家光の徳川3代に仕えた天海大僧正ゆかりの名刹が、喜多院(川越大師)。境内にある五百羅漢は、天明2年(1782年)〜文政8年(1825年)の50年間にわたって建立されたもので、538体が鎮座しています。

浅間山の噴火をきっかけに生まれた五百羅漢像

安政4年(1775年)に関根仙右衛門庸清が父と母の供養のため「阿難陀尊者」を建立したのが始まりで、天明2年(1782年)、川越北田島の志誠(しじょう=内田善右ヱ門)と蔦右衛門の発願で、喜多院真珠院の協力を得て「五百羅漢建立募縁疏」(ごひゃくらかんこんりゅうぼえんしょ)で浄財を諸方に求めています。

天明2年(1782年)は、浅間山の噴火による降灰で不作に見舞われ、天明の大飢饉の始まった年で、両親の反対を押し切って出家した志誠ですから、世情の不安を背景に、建立を思い立ったのだと思います。

志誠大徳は二大士、十六像をはじめ、40尊を造って4年目に病に倒れ、喜多院の学僧であった慶厳、澄音、祐賢がその遺志を受け継いで、浄財を集め、40余年の歳月を費やして完成させています。
当時の川越は、商都として発展(武蔵国屈指の大都会、現在の埼玉県では最大の人口でした)、さらに喜多院は将軍家とも密接なつながりがあったので、商人、武家の寄付もあったと推測できます。

喜多院の五百羅漢は、中央高座の大仏(おおぼとけ)に釈迦如来、その脇侍(わきじ)に獅子に乗った文殊菩薩(もんじゅぼさつ)と象に乗った普腎菩薩(ふげんぼさつ)、左の高座に阿弥陀如来、右の高座に地蔵菩薩が鎮座し、そのほかの羅漢像をあわせて538体が並んでいます。

五百羅漢には夜こっそり詣で、ひとつひとつに触れていくと人の体温を感じるような温かいものがあり、印をつけて翌朝その前に立つと、それは会いたいと思っていた亡き人の顔にそっくりだという伝承もあります。

喜多院の五百羅漢は、徳蔵寺(栃木県足利市)、建長寺(神奈川県鎌倉市)とともに、日本三大五百羅漢にも数えられています。

喜多院(川越大師)・五百羅漢
喜多院(川越大師)・五百羅漢
名称 喜多院(川越大師)・五百羅漢/きたいん(かわごえだいし)・ごひゃくらかん
所在地 埼玉県川越市小仙波町1-20-1
関連HP 川越大師 喜多院公式ホームページ
電車・バスで 西武新宿線本川越駅から徒歩20分
ドライブで 関越自動車道川越ICから約4km
駐車場 明星駐車場(120台/有料)、1月3日休
問い合わせ 喜多院拝観寺務所 TEL:049-222-0859
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

喜多院(川越大師)

830(天長7)年、慈覚大師・円仁(えんにん)により創建された古刹が喜多院(川越大師)。1296(永仁4)年、伏見天皇が尊海僧正に再興を命じ、慈恵大師(元三大師)を祀って関東天台の中心的な存在となりました。さらに1599(慶長4)年、27世

喜多院(川越大師)・慈眼堂

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喜多院(川越大師)・山門

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喜多院(川越大師)・鐘楼門

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喜多院(川越大師)・庫裏

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仙波東照宮

1616(元和2)年に没した徳川家康の法要は、久能山から日光山輪王寺に改葬される際の1617(元和3)年3月23日〜26日に川越の喜多院で執り行なわれています。その際に、後水尾天皇から東照大権現の勅額が下賜されていますが、それに伴って喜多院

日枝神社 (川越市)

830(天長7)年、円仁(慈覚大師)が無量寿寺(喜多院)を創建した際に、その鎮守として、860(貞観2)年に近江・坂本の山王権現(日吉山王社)を勧請して創建したという古社。天台宗・延暦寺の守護神として尊崇された山王権現を川越にも祀ったもの。

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日本三大五百羅漢とは!?

五百羅漢は、一切の煩悩(ぼんのう)を払って修行の最高位に達した仏弟子500人ことで、その功徳を授かれるのが五百羅漢像です。日本三大五百羅漢に数えられるのは、徳蔵寺(栃木県足利市)、喜多院(埼玉県川越市)、建長寺(神奈川県鎌倉市)、そして羅漢

 

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