渡月橋

渡月橋

京都を流れる桂川にかかる橋で嵐山のシンボル的存在。左岸と中州である中ノ島公園とを結んでいます。承和年間(834年〜848年)に僧・道昌が架橋したのが最初で、鎌倉時代に亀山上皇が月が傾いていくのを眺めて「くまなき月の渡るに似たり」という言葉から渡月橋と名付けられています。

嵐山の桜は、吉野山から移植した山桜がルーツ!

現在の場所に架橋したのは大堰川(桂川の上流部)、高瀬川を私財を投じて開削した京の豪商・角倉了以(すみのくらりょうい)。
長さ155m、幅11mの現在の橋は、昭和9年に架橋されたもので、京都府道29号宇多野嵐山山田線の一部となっています。
橋脚と橋桁は鉄筋コンクリート製ですが、景観との調和から、木製の欄干となっています。

桂川と西高瀬川との分岐部にサイフォン式小型水力発電機を設置し、生まれる電気を使ってLED照明によりライトアップも実施。
このライトアップは、地元「京都嵐山保勝会」の尽力で実現したもの。

渡月橋を中心とした嵐山一帯は桜、紅葉の名所。
紅葉の見頃は例年11月下旬~12月上旬。

鬼の架け橋

歌川広重が描いた 渡月橋

日本全国六十余すべての州をくまなく描いた全七十図(目録含む)という歌川広重晩年の大作が『六十余州名所図会』。
その1番が「山城 あらし山渡月橋」。
渡月橋の上流にあり、嵐山から桂川に流れ落ちる滝、戸無瀬滝(となせのたき)もしっかりと描かれています。

『六十余州名所図会』山城 あらし山渡月橋
『六十余州名所図会』山城 あらし山渡月橋
吉野山の山桜と地名「嵐山」を京に移植!!
吉野山の玄関口、下千本駐車場近くには「嵐山」と呼ばれる小山があります。
そして谷を隔てた東側の桜山が「ホウヅキ尾」(保津峡)。
亀山天皇が即位した後、嵯峨に後嵯峨上皇の仙洞御所亀山殿が築かれ、保津川の対岸に吉野山から山桜を移植しています。
さらに吉野山と同じ蔵王権現を祀り、吉野の嵐山に模して嵐山の名を付けたのです。
明治以降はソメイヨシノなどが植栽されていますが、嵐山の桜も、ルーツは吉野山と同じ、蔵王権現ゆかりの山桜です。
能の『嵐山』は、吉野から移し植えた桜を見てくるようにとの宣旨を受け、勅使は、嵐山に赴き、桜を守る夫婦に出会い、「嵐山という名前であっても、吉野の蔵王権現の力があれば散ることない」と言われるが、実はこの夫婦は桜を守る神々で、蔵王権現も加わって嵐山の春を祝うというお話。
鎌倉時代の『続古今和歌集』には、後嵯峨上皇の「亀山の仙洞に吉野山の桜をあまた移し植え侍りしが、花の咲けるを見て」との前書きで「春ごとに思ひやられし三吉野の 花は今日こそ宿に咲きけれ」との和歌が記されています。
今も桂川の河畔には蔵王大権現が祀られています。
嵐山は、「日本さくら名所100選」にも選定。
嵐山・桜
嵐山・桜
渡月橋
名称 渡月橋/とげつきょう
Togetsu-kyo Bridge
所在地 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺造路町
電車・バスで JR京都駅から京都バスで40分、嵐山下車、徒歩1分。または京福嵐山本線嵐山駅から徒歩5分、JR嵯峨嵐山駅から徒歩15分
ドライブで 名神高速道路京都南ICから約12km
駐車場 市営嵐山観光駐車場(105台/有料)
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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