第二期蹴上発電所(旧発電所)

第二期蹴上発電所(旧発電所)

日本で最初の営業目的の水力発電所は、京都・蹴上の琵琶湖疏水を利用した「蹴上発電所」(明治24年6月稼働開始)。12月からは京都電灯会社に電力の供給を開始し、蹴上に設置されたインクラインの動力もこの発電所で生まれる電気で供給。明治28年に開通する京都電気鉄道(後の京都市電)もこの発電所の電気で走りました。

明治45年に完成した発電所

京都三大事業の一つとして,さらに多くの水や電力を得るために第二疏水が建設され、それに伴って当初の蹴上発電所は取り壊わしとなり、隣接地に第2期蹴上発電所が建設されました。

第二期蹴上発電所は明治45年に完成。
現在は関西電力蹴上変電所の構内となり、実際の発電は第三期蹴上発電所が担っています。
明治45年には蹴上浄水場も完成し、京都市内に上水道の供給が開始されています。

蹴上発電所は、2016年には世界的な電気・電子技術の専門家組織、米国電気電子学会 (IEEE) のIEEEマイルストーン(アイトリプルイー マイルストーン)に認定(日本国内では同じ関西電力の黒部川第四発電所の認定に続き2例目)。
「琵琶湖疏水の発電施設群」として、夷川発電所、墨染発電所とともに土木学会選奨土木遺産に、さらに経済産業省の近代化産業遺産(「京都における産業の近代化の歩みを物語る琵琶湖疏水などの近代化産業遺産群」)に認定。

蹴上水力発電所の運転開始は、「日本で最初の路面電車(京都駅~伏見)の開通につながるとともに、紡績、伸銅、機械、タバコなどの新しい産業の振興に絶大な能力を発揮することになり、手工業から機械工業へと転換する過渡期であった京都産業発展の基礎確立に大きく貢献」したことが近代化産業遺産認定の理由になっています。

毎週金曜には1日2回、蹴上発電所見学会(各回20名定員/無料)も実施されています。

第二期蹴上発電所(旧発電所)
名称第二期蹴上発電所(旧発電所)/だいにきけあげはつでんしょ(きゅうはつでんしょ)
所在地京都府京都市左京区南禅寺福地町
電車・バスでJR京都駅から市バスで34分、南禅寺永観堂前下車、徒歩8分
ドライブで名神高速道路京都東ICから約14km
駐車場周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ関西電力京都支社蹴上発電所見学会受付 TEL:075-205-5352
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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