島津創業記念資料館

島津創業記念資料館

京都府京都市中京区、高瀬川一之船入・角倉了以(すみのくらりょうい)邸跡北側にあるのが、島津創業記念資料館。木屋町二条一帯は島津製作所の創業の地であるとともに、文明開化以降、京都府が欧米の最新技術を導入して官営の実験所(京都舎密局)や工場などの施設を設立した近代科学発祥の地となっています。

建物、収蔵展示品は経済産業省の近代化産業遺産に認定

京と伏見を結ぶ舟運を目的に私財を投じて高瀬川を開削した角倉了以は、高瀬川の起点である高瀬川一之船入に角倉屋敷を設置し、高瀬舟の運航を管理していましたが、東京奠都(とうきょうてんと)後に、京都の発展を支えたのもこの一角。
舎密局(せいみきょく)は、オランダ語シェミーの訳語で化学のことで、明治6年、京都舎密局が完成、京都の伝統産業である陶磁器、織物、染色の改良、さらに石鹸、鉄砲水(ラムネ)、ビールの製造なども手掛けています。

江戸時代、高瀬川一之船入で仏具製造業を営んでいた初代・島津源蔵は、文明開化を受け、教育用理化学器械の製造業へと転身、2代目・島津源蔵は、さらに医療用X線装置、蓄電池などにも進出、島津製作所の基盤を築いています。

明治21年築の南棟と明治27年築の北棟をそのまま再生した資料館が島津創業記念資料館。
創業から大正8年まで、島津源蔵はこの地を本店兼住居としていましたが、資料館として再生される2棟も、木造2階建ての町家形式の建物(窓にはステンドグラスがはめ込む和洋折衷)となっています。

見学は事前予約制で、3営業日前までに要予約。
館内には、創業以来、製造してきた理化学器械や医用X線装置などが展示され、近代の科学技術の発達過程を垣間見ることができます。

建物は国の登録有形文化財で、収蔵展示される品々(理化学機器製造関連遺産)は、建物とともに「京都における産業の近代化の歩みを物語る琵琶湖疏水などの近代化産業遺産群」として、経済産業省の近代化産業遺産に認定。

島津創業記念資料館
名称 島津創業記念資料館/しまづしょうぎょうきねんしりょうかん
所在地 京都市中京区西生洲町478-1
関連HP 島津創業記念資料館公式ホームページ
電車・バスで 地下鉄東西線京都市役所前駅から徒歩4分
駐車場 周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ 島津創業記念資料館 TEL:075-255-0980/FAX:075-255-0985
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
高瀬川一之船入

高瀬川一之船入

京都市街から伏見へと流れる高瀬川は慶長19年(1614年)、角倉了以(すみのくらりょうい)が開削した運河。船入は二条~四条間に9ヶ所つくられ、京へ運び入れる荷物の積み下ろしと船の方向転換が行なわれた場所です。唯一現存する高瀬川一之船入には堀

角倉了以邸跡

角倉了以邸跡

京と伏見を結ぶ舟運を目的に私財を投じて高瀬川を開削した角倉了以(すみのくらりょうい)。その角倉了以邸跡の碑は、高瀬川の起点である高瀬川一之船入(京都市中京区一之舟入町)に立っています。開削後に高瀬川の管理者となった角倉氏はここに角倉屋敷をお

島津製作所創業之地

島津製作所創業之地

明治の初め、高瀬川一之船入周辺は大阪を京を結ぶ高瀬舟の終着地として賑わっていました。二条通りを隔てた東北側には、明治3年、工業試験場である京都舎密局が設立。明治8年、島津製作所の創業者である初代の島津源蔵は、この地を選んで、わが国で初めて教

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ